
前半3F33.6秒の速い流れで、前の馬が次々と力尽きた京都の芝1400m。その中で4番手から粘ったダイヤモンドノットが、追い込んだスズハロームとオフトレイルをハナ・クビ差で振り切りました。ラップとPCIから、紙一重の決着を読み解きます。
①レース結果
| 着順 | 馬番 | 馬名 | 騎手 | タイム | 通過順 | 人気 | オッズ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 1番 | ダイヤモンドノット | 横山武史 | 1.19.2 | 4-4 | 2 | 6.1 |
| 2 | 4番 | スズハローム | 藤懸貴志 | 1.19.2 | 16-16 | 8 | 19.7 |
| 3 | 9番 | オフトレイル | 菅原明良 | 1.19.2 | 11-11 | 1 | 3.9 |
| 4 | 8番 | サンダーストラック | 吉村誠之 | 1.19.4 | 6-6 | 13 | 32.7 |
| 5 | 15番 | ジョイフルニュース(軸・総合1位) | 大野拓弥 | 1.19.5 | 11-11 | 4 | 6.8 |
| 6 | 13番 | マイネルチケット | 津村明秀 | 1.19.5 | 8-9 | 5 | 9.7 |
| 7 | 5番 | ビッグシーザー | M.デム | 1.19.5 | 10-10 | 15 | 57.1 |
| 8 | 18番 | エリカエクスプレス | 武豊 | 1.19.5 | 3-3 | 3 | 6.2 |
| 9 | 16番 | ランフォーヴァウ | 石川裕紀 | 1.19.5 | 2-2 | 16 | 83.3 |
| 10 | 11番 | レザベーション | 原優介 | 1.19.5 | 16-16 | 12 | 31.4 |
| 11 | 17番 | ミニトランザット | 西村淳也 | 1.19.5 | 13-13 | 9 | 20.6 |
| 12 | 14番 | ワイドラトゥール | 北村友一 | 1.19.7 | 13-13 | 11 | 28.4 |
| 13 | 6番 | ウインマーベル | 松山弘平 | 1.19.8 | 4-4 | 7 | 18.6 |
| 14 | 10番 | ララマセラシオン | 横山琉人 | 1.20.1 | 13-13 | 14 | 33.8 |
| 15 | 3番 | レイベリング | 鮫島克駿 | 1.20.3 | 6-6 | 17 | 139.5 |
| 16 | 12番 | アイサンサン | 幸英明 | 1.20.4 | 1-1 | 6 | 16.8 |
| 17 | 2番 | ショウナンザナドゥ | 池添謙一 | 1.20.6 | 8-6 | 10 | 22.8 |
| 18 | 7番 | ネオトキオ | 安藤洋一 | 1.21.5 | 18-18 | 18 | 212.3 |
②払戻
| 券種 | 組番 | 払戻金 | 人気 |
|---|---|---|---|
| 単勝 | 1 | ¥610 | 2 |
| 複勝 | 1 / 4 / 9 | ¥230 / ¥480 / ¥160 | 2 / 8 / 1 |
| 枠連 | 1-2 | ¥4,110 | 19 |
| 馬連 | 1-4 | ¥8,550 | 33 |
| ワイド | 1-4 / 1-9 / 4-9 | ¥2,950 / ¥570 / ¥1,290 | 40 / 1 / 11 |
| 馬単 | 1→4 | ¥13,850 | 48 |
| 3連複 | 1-4-9 | ¥9,380 | 21/816 |
| 3連単 | 1→4→9 | ¥64,430 | 165/4896 |
③レースラップ解説
12.0 – 10.6 – 11.0 – 11.3 – 11.6 – 11.3 – 11.4(合計79.2秒=1.19.2)
2F目がいきなり10.6秒。最初の3Fは33.6秒で、京都外回りの芝1400mとしてもかなり速い入りでした。
前半3Fを1Fあたりに直すと平均11.20秒、後半3F(34.3秒)は平均11.43秒。前半の方が速い流れで、中盤の11.6秒で少し緩んだだけで、ラスト2Fも11.3-11.4秒と大きくは失速していません。「前傾ラップの持続力戦」で、最後まで脚を使い続けられるかが問われました。
1〜3着がハナ・クビ差、4着以下も0.3秒以内に8頭がひしめく大接戦。速い流れでも全体の脚色に大きな差はつかず、道中の位置取りと上がりのわずかな差が着順を分けた、紙一重のレースでした。
④PCIから見るレースペース
PCI(Pace Compensation Index・ペース補正指数)とは、レースの前半と後半のペース配分を数値化した指標で、「50」が基準値です。50を下回るほど前半が速く終始脚を使わされた「前傾ラップ(ハイペース)」、50を上回るほど前半が緩んで後半に脚をためられた「後傾ラップ(スロー〜ミドルペース)」だったことを示します。個々の馬の数値は、その馬自身の走破タイムを基準にした「自分なりのペース」と実際の上がり3Fとの比較で決まるため、同じレースでも馬ごとに違う値になります。数値の高低は脚の使い方の「型」を表すもので、馬の強さそのものを示すわけではありません。
平均51.4は基準値50に近い数字です。ラップ解説のとおり、前半が速く、全体として「ためる余裕はそれほどなかった」レースだったことを示しています。
前に行った馬は軒並み数値が低く、逃げたアイサンサン(PCI44.9・16着)は出走馬で最も低い数値。2番手のランフォーヴァウ(47.8・9着)、3番手の1番人気予想エリカエクスプレス(48.8・8着)、4番手のウインマーベル(49.0・13着)も50を割り、速い流れで脚を削られました。
その中で、4番手から勝ち切ったダイヤモンドノットのPCIは50.7。先行勢で唯一50を上回り、上がりも33.8秒にまとめました。ためて切れたというより、速い流れでも止まらない持続力で押し切った勝ち方です。
反対に数値が最も高かったのは、2着スズハローム(56.7)。最後方16番手から上がり3Fは出走馬中最速の32.7秒を使い、ハナ差まで迫りました。同じ16番手にいたレザベーション(55.7)も上がり33.0秒を使いましたが10着。位置が同じでも、上がりの0.3秒の差が大きな着順差になっています。
⑤レース展開解説
序盤〜道中
ハナを切ったのはアイサンサン。2番手にランフォーヴァウ、3番手にエリカエクスプレス、4番手にダイヤモンドノットとウインマーベルが続きました。1番人気オフトレイルと軸のジョイフルニュースは11番手の中団、スズハロームとレザベーションは16番手の後方。2F目10.6秒の速い流れで、隊列は縦長になりました。
直線
前の3頭が直線半ばで失速するなか、4番手のダイヤモンドノットが抜け出して先頭へ。そこへ後方からスズハローム、中団からオフトレイルが猛然と追い込み、3頭がほぼ並んでゴール。ダイヤモンドノットがハナ差で粘り切り、スズハローム2着、オフトレイルがクビ差の3着でした。軸のジョイフルニュースはオフトレイルと同じ位置から伸びたものの、0.3秒及ばず5着です。
予想との答え合わせ
予想では「18頭中逃げ2頭(ショウナンザナドゥ・エリカエクスプレス)・先行2頭(レイベリング・ネオトキオ)・中団9頭・後方5頭。逃げ・先行勢がかなり少ないため差しが決まりやすい展開を想定。軸ジョイフルニュース(中団)はこの想定展開なら恵まれる形」としていました。「差しが決まりやすい」は半分当たりで、2・3着は後方・中団からの差しでした。ただし勝ったのは4番手のダイヤモンドノットで、速い流れでも好位が残る余地はありました。はっきり外れたのは隊列です。ハナを切ったアイサンサンは予想では「後方」タイプで、逃げ候補としたショウナンザナドゥは6〜8番手、先行候補のネオトキオは最後方18番手でした。直近走の通過順だけで脚質を決めると、今回のように乗り方を大きく変えてくる馬を読み違えます。
⑥レース回顧
勝ったダイヤモンドノットは3歳馬。速い流れの4番手という厳しい位置で、前の馬が次々と下がる中を最後まで踏ん張りました。PCI50.7という数字が示すとおり、前半から脚を使いながら止まらない持続力が光った勝利です。総合ランキングでは7位(予想3人気)の評価で、上位には挙げられませんでした。
2着スズハロームは8番人気。最後方から上がり32.7秒の豪脚で、勝ち馬をハナ差まで追い詰めました。総合12位の評価で、こちらもランキングでは拾えなかった馬です。3着オフトレイルは1番人気の意地を見せ、中団から上がり33.2秒で伸びています。
総合1位として軸に据えたジョイフルニュース(4番人気)は5着。位置取りはオフトレイルと同じ11番手で、展開面の読みは悪くありませんでした。それでも上がりが33.5秒と0.3秒遅く、最後の決め手の差で馬券圏内を逃しています。
大穴として総合2位に浮上したワイドラトゥールは12着、総合4位ララマセラシオンは14着と、総合ランキング上位の人気薄はいずれも振るいませんでした。総合上位3頭はジョイフルニュース・ワイドラトゥール・オフトレイル。10月14日に改めた軸選定ルール(総合上位3頭のうち予想人気が最上位の馬)なら、軸は3着のオフトレイルになっていた計算です。
⑦まとめ ― 次走注目馬・評価保留馬
勝ったダイヤモンドノットは、速い流れを好位で受け止めて押し切る持続力が本物。3歳でこの内容なら、マイル前後の重賞でも主役級です。2着スズハロームは上がり32.7秒の切れ味が武器で、直線の長いコースや展開が向けば重賞勝ちも狙えます。13番人気4着のサンダーストラックも6番手から粘っており、穴で押さえたい1頭です。
軸のジョイフルニュースは、位置取りは良かったものの決め手で一歩及ばず。距離や馬場が替わって改めて評価したい馬です。3番手から8着のエリカエクスプレスは、速い流れに巻き込まれた結果で、ペースが落ち着けば巻き返しも考えられます。

