【札幌記念(G2)回顧】逃げ粘るホウオウビスケッツを差し切ったシェイクユアハート、上り3F最速の末脚で3人気V

【札幌記念(G2)回顧】逃げ粘るホウオウビスケッツを差し切ったシェイクユアハート、上り3F最速の末脚で3人気V

札幌芝2000mの札幌記念は、道中単独で先頭に立ったホウオウビスケッツを直線で飲み込んだシェイクユアハートが3人気の中間評価を覆して優勝。上り3Fは全体最速、PCIの数値も全体で最も高く、道中を溜めて後半に大きく加速するペース配分での差し切りは文句なしの内容でした。◎本命ローシャムパークはクビ差の4着に惜敗。ラップ・PCI・通過順位から、このレースの中身を詳しく振り返ります。

①レースラップの解説

公式ラップ

LAP: 12.4-10.2-11.6-12.8-12.4-11.8-11.9-11.8-11.9-11.4
通過: 34.2-47.0-59.4-71.2 上り: 71.2-58.8-47.0-35.1
平均: 1F 11.82 / 3F 35.46

初速12.4秒からいったん10.2秒まで一気にペースアップし、その後11.6→12.8秒と中盤で大きく緩む緩急のついたラップ構成でした。しかし残り800m以降は11.8-11.9-11.8-11.9-11.4とほとんど落ちない持続的な追走が最後まで続いています。平均1F11.82秒・平均上がり3F35.46秒は2000m戦としては標準〜やや速いペースで、瞬発力一発の切れ味勝負というより、最後の800mを均一に脚を使い続けられるタイプに向いた流れだったと言えます。

②PCIから見るペースの質

※PCI(ペース補正指数)は「50」を基準に、50を下回るほど前半速く後半バテる「前傾ラップ(消耗戦)」、50を上回るほど前半緩やかで終いに脚を溜める「後傾ラップ(瞬発力戦)」を意味する数値です。個々の馬ごとの基準ペース(Ave-3F)と実際の上り3Fを比較して算出されるため馬ごとに値が異なり、「PCIが高い馬」が必ずしも「上り3Fタイムが絶対的に最速の馬」とは限りません。数値の高低は馬の優劣や強さを示すものではなく、あくまで前半・後半どちらに脚を使ったかというペース配分の型を表す指標である点にご注意ください。

着順馬名PCI通過順(1-2-3-4角)上り3F
1シェイクユアハート53.6(数値最大)12-10-8-834.6(全体最速)
2サクラファレル51.56-5-4-235.2
3レディネス51.03-3-4-535.4
4ローシャムパーク52.210-10-10-835.1
5グランディア51.110-8-6-535.4
(中位省略)
8マイネルモーント52.413-13-15-1035.2
9アドマイヤテラ48.98-6-2-236.1
10ホウオウビスケッツ47.8(数値最小)1-1-1-136.4
12アラタ52.116-16-16-1535.4

このレースもPCIの数値が全体で最も高かったのは勝ったシェイクユアハートで、道中を大きく溜めて直線で一気に加速する、後傾ラップを象徴するような内容の勝利でした。ただし4着ローシャムパーク(PCI52.2)・8着マイネルモーント(PCI52.4)・12着アラタ(PCI52.1)は、いずれも上位入線馬と同水準のPCIを記録しながら着順に結びついておらず、特にローシャムパークは通過10-10-10-8とほぼ一貫して後方集団に位置しており、「後半の脚は使えたが位置取りの分だけ届かなかった」典型例です。対照的に単独で終始先頭を守ったホウオウビスケッツのPCIは47.8と全体で最も低い数値で、これは「劣っていた」のではなく、逃げ・先行馬らしく前半から脚を使い続けて粘る持続力タイプだったことを数値が裏付けている形です。1番人気アドマイヤテラも通過8-6-2-2と早め早めに進出しましたが、PCI48.9・上がり3F36.1と最も遅い部類で、直線で早々にガス欠となったことが読み取れます。

③レース展開の詳細

予想時点では「単独逃げ実績馬は不在で、先行馬が無理に競り合わない限り縦長のミドル〜スローペースになりやすい」と見立てていましたが、実際は事前に「逃げ・先行馬有利な穴馬」として名指ししていたホウオウビスケッツが道中1-1-1-1で単独の先頭を独走する展開になりました。展開読み自体は的中しましたが、彼自身は最後に脚が上がって10着まで後退しています。

2番手集団はオニャンコポン(2-2-6-12)が追走しましたがこちらも直線で失速。3番手にはレディネス(3-3-4-5)・ショウヘイ(4-3-2-2)が続き、なかでもショウヘイは早め進出から4角2番手まで押し上げましたが、直線で脚が上がり7着まで後退しました。1番人気アドマイヤテラも同様に8-6-2-2と早め先頭に立つ形を作りましたが、これも直線半ばで一杯になっています。

一方、優勝したシェイクユアハートは12-10-8-8と道中は中団やや後方に構え、直線で外から一気に脚を伸ばして差し切りました。2着サクラファレルも6-5-4-2と徐々にポジションを押し上げるロングスパート型の競馬で2着を確保。単独先頭のホウオウビスケッツを含む早め進出組が軒並み直線で止まる一方、中団から脚をタメた組が上位を占める、まさに「持続力よりも溜めた末脚」が制した一戦でした。

④レース回顧

1着 シェイクユアハート(3人気)

上り3Fは全体最速、PCIの数値も全体で最も高く、中団から直線で鋭く伸びて優勝。3人気という中間人気での勝利でしたが、内容としては文句なしの差し切りでした。ハンデ58kgを背負っての勝利という点でも価値が高い一戦です。

2着 サクラファレル(5人気)

○対抗評価通りの好走。道中じわじわとポジションを押し上げるロングスパート型の競馬で、直線に入った時点で既に2番手につけており、そのまま押し切られる形となりました。◎ローシャムパークとの点差(6.2点)通りの接戦を演じました。

3着 レディネス(9人気)

3-3-4-5とほぼ一貫して好位を守り抜き、9人気の低評価を覆す激走。展開に恵まれた面はありますが、粘り込みそのものは価値が高い内容でした。

◎本命に推したローシャムパークは4着に惜敗しました。3着とはクビ差という僅差で、道中10-10-10-8とやや後方に構えていたことが最後にわずかに響いた形です。PCI52.2は上位入線馬に匹敵する数値で、展開面の不安(単独逃げ不在のミドルペース想定)自体は的中していただけに、あと一歩の押し上げがあれば馬券に絡んでいた内容でした。▲単穴のアドマイヤテラは早め先頭からの失速で9着に終わり、1番人気の重圧を跳ね返せませんでした。

⑤まとめ:次走注目馬・評価保留の馬

次走注目馬

シェイクユアハート
上り3F全体最速・PCIも全体で最も高い数値を記録しての完勝。今回のような中団からの持続力勝負が続けば、次走以降もG1級での上位争いに期待できる。

サクラファレル
ロングスパート適性を存分に発揮した2着。ローシャムパークとの再戦も含め、次走の巻き返しに注目したい。

レディネス
9人気の低評価を覆す3着好走。好位を守り切る競馬がハマれば、まだ上のクラスでも通用する余地がある。

評価保留の馬

ローシャムパーク
PCI自体は上位に匹敵する内容だっただけに、クビ差4着という結果は展開・位置取りの巡り合わせが悪かった側面が大きい。次走の枠順・展開次第で巻き返し十分。

アドマイヤテラ
1番人気の重圧の中、早め先頭策が裏目に出て9着。上がり3F36.1は全体でも遅い部類で、スタミナ配分の見直しが必要か。

マイネルモーント・アラタ
ともに高いPCIを記録しながら後方すぎる位置取りで着外。展開に恵まれれば一変の目もあるが、まずは先行力の底上げが課題。

データについて: PCI・通過順位・Ave-3F・上り3Fはいずれも`レース結果`ファイル記載の公式値を使用(推定値ではありません)。予想時点の◎○▲・展開予想との答え合わせも本文中に含めています。
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