
「逃げ馬不在」と見られていた新潟記念は、8番人気サヴォーナが単独で先頭に立つ縦長の展開に。中団でじっくり構えたゾロアストロが直線で抜け出し、3歳馬ながら古馬相手のGIIIを制した。予想では中団有利のペースを想定して2番人気ダノンシーマを軸に据えたが、実際にレースを動かしたのは想定外の一頭だった。ラップ・PCI・通過順から今回のレースを振り返る。
①レース結果
| 着順 | 馬番 | 馬名 | 騎手 | タイム | 通過順(3-4角) | 人気 | オッズ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 5 | ゾロアストロ | 岩田望来 | 1:59.6 | 6-6 | 2 | 3.5 |
| 2 | 3 | ロデオドライブ | ルメール | 1:59.6(頭) | 4-4 | 3 | 3.7 |
| 3 | 8 | ダノンシーマ | 川田将雅 | 1:59.6(頭) | 4-4 | 1 | 3.2 |
| 4 | 2 | サヴォーナ | 池添謙一 | 1:59.8(1 1/4) | 1-1 | 8 | 26.5 |
| 5 | 9 | アーバンシック | 三浦皇成 | 1:59.9(クビ) | 8-6 | 7 | 18.4 |
| 6 | 4 | ドゥレッツァ | 田辺裕信 | 1:59.9(クビ) | 2-2 | 4 | 9.2 |
| 7 | 1 | ボーンディスウェイ | 丸山元気 | 2:00.0(1/2) | 2-2 | 11 | 85.1 |
| 8 | 6 | チェルヴィニア | 津村明秀 | 2:00.0(ハナ) | 6-6 | 6 | 15.5 |
| 9 | 7 | ジュンブロッサム | 杉原誠人 | 2:00.1(クビ) | 11-11 | 10 | 60.5 |
| 10 | 10 | バレエマスター | 菊沢一樹 | 2:00.1(クビ) | 9-9 | 9 | 36.9 |
| 11 | 11 | ステレンボッシュ | 戸崎圭太 | 2:00.7(3 1/2) | 9-9 | 5 | 13.3 |
※通過順は3・4コーナーの順位(このレース結果ファイルには1・2コーナーの通過順位の記載なし)。
②払戻
| 券種 | 組番 | 払戻金 | 人気 |
|---|---|---|---|
| 単勝 | 5 | ¥350 | 2 |
| 複勝 | 5 / 3 / 8 | ¥130 / ¥150 / ¥120 | 2 / 3 / 1 |
| 枠連 | 3-5 | ¥920 | 3 |
| 馬連 | 3-5 | ¥930 | 3 |
| ワイド | 3-5 / 5-8 / 3-8 | ¥400 / ¥220 / ¥290 | 3 / 1 / 2 |
| 馬単 | 5→3 | ¥1,770 | 6 |
| 3連複 | 3-5-8 | ¥810 | 1 |
| 3連単 | 5→3→8 | ¥4,200 | 6 |
③レースラップの解説
全体ラップは「12.9-11.6-11.8-12.0-12.3-12.7-12.1-11.0-11.2-12.0」。前半600m(12.9-11.6-11.8=36.3秒)は平均的な入りだったが、中盤5〜6F目(12.3-12.7)でいったんラップが緩み、レース全体で最も脚を溜めやすいタイミングができた。ここから8F目に11.0まで一気にギアを上げ、残り400mは11.2-12.0とやや落ち着く形でゴールまで持続する脚が問われる展開に。平均は1F=11.96秒・上り3F=35.88秒で、新潟外回り2000mの標準的なペースからするとやや緩め。中盤の緩みを見逃さず動けた馬に展開が向いたレースだったと言える。
④PCI(公式)から見るペースの質
| 着順 | 馬名 | PCI | 通過(3-4角) | 上り3F |
|---|---|---|---|---|
| 9着 | ジュンブロッサム | 59.0(数値最大) | 11-11 | 33.9 |
| 1着 | ゾロアストロ | 58.8 | 6-6 | 33.8 |
| 3着 | ダノンシーマ | 58.3 | 4-4 | 33.9 |
| 5着 | アーバンシック | 58.3 | 8-6 | 34.0 |
| 2着 | ロデオドライブ | 57.9 | 4-4 | 34.0 |
| 8着 | チェルヴィニア | 57.5 | 6-6 | 34.2 |
| 6着 | ドゥレッツァ | 57.0 | 2-2 | 34.3 |
| 4着 | サヴォーナ | 56.4 | 1-1 | 34.4 |
| 7着 | ボーンディスウェイ | 56.2(数値最小タイ) | 2-2 | 34.5 |
| 11着 | ステレンボッシュ | 56.2(数値最小タイ) | 9-9 | 34.7 |
出走11頭全馬がPCI56台以上に収まっており、後半に脚を使う後傾ラップの色が濃いレースだった。注目は9着ジュンブロッサムの数値最大59.0。上り3F=33.9秒は勝ち馬ゾロアストロと0.1秒差の水準まで脚を使えていたにもかかわらず、通過順が11-11と終始最後方だったために届かなかった、典型的な「脚は使えたが位置が悪かった」ケースだ。反対に4着サヴォーナはPCI56.4と中位の数値ながら、1-1で単独先頭に立った位置取りの利を最大限に活かして粘り込んでおり、PCIの高低だけでは測れない着順の妙が表れている。
⑤レース展開の詳細
予想時点では「絶対的な逃げ馬不在」と見て、チェルヴィニアが単騎ハナに行くケースを軸に展開を組み立てていたが、実際にゲートを出て先頭に立ったのは8番人気サヴォーナだった。単独で先手を主張したサヴォーナに、ドゥレッツァ・ボーンディスウェイの2頭が2番手集団としてやや離れて追走(2-2)。3番手集団はゾロアストロ・チェルヴィニアの4-6番手評価組(6-6)、続いてロデオドライブ・ダノンシーマが4-4で中団に構え、後方にはジュンブロッサム・バレエマスター・ステレンボッシュが9〜11番手で控える縦長の隊列となった。単独先頭のサヴォーナが縦長の展開を作ったことで、中盤のラップの緩みを活かして中団勢が動きやすい流れに。直線に向くとロデオドライブ・ダノンシーマ・ゾロアストロがほぼ横一線で並び、最後はゾロアストロが半馬身抜け出して先頭でゴール。予想で軸に想定していたチェルヴィニアの単騎ハナは実現せず(実際は6-6の中団)、8着に沈んだ。
⑥レース回顧
1着ゾロアストロは3歳馬ながら古馬相手のGIIIを制し、これで重賞2勝目。中団6-6から上がり33.8秒でまとめ、僅か0.1秒差の接戦を制した内容は評価が高い。2着ロデオドライブは初挑戦だった2000mの距離不安を克服し、1番人気の名に恥じない走りで2着を確保。3着ダノンシーマは「総合1位を機械的に選ばない」という原則を踏まえたうえで、直近走の脚質(中団4〜6番手)が今回のペースに噛み合うことを確認して軸に採用した馬。狙い通り中団4-4から粘り込み、3連複軸流しプランをそのまま的中に導いた。4着サヴォーナは単独で先手を主張し、力の要る展開を自ら作りながら粘り切った殊勲の一頭と言える。一方、展開の鍵として注目していたチェルヴィニアは単騎ハナに行けず、力を出し切れないまま8着に終わった。
⑦まとめ ― 次走注目馬・評価保留の馬
次走注目
ゾロアストロ
3歳馬で古馬のGIIIを制した地力の高さは本物。中団からの脚の使い方も柔軟で、上のクラスでも通用しそうだ。
サヴォーナ
8番人気ながら自ら流れを作って4着に粘った内容は価値が高い。単騎で先手を取れる条件が整えば上位争いに絡む余地がある。
評価保留
チェルヴィニア
単騎ハナのシナリオが不発に終わり8着。展開が向かなかった分の割り引きは必要だが、次走は脚質を再考したい。
ジュンブロッサム
PCI数値最大(59.0)・上り3F33.9秒と脚自体は使えていたが、終始後方(11-11)の位置取りが響いて9着。位置取りさえ向けば巻き返し可能。
レース結果ファイルに記載の公式PCI。


