
【2026年8月8日 札幌・ダート1700m・3歳以上】エルムS(G3)予想 ― 本命は7歳馬、複勝率データで斬る
8月8日、札幌ダート1700mで行われるエルムS(G3)。3歳以上オープンの国際・指定戦で、フルゲート11頭が集まった一戦だ。今回は騎手・調教師・種牡馬・母父馬・脚質・間隔・前走各種など18項目の実複勝率データが揃っていたので、それをベースに全頭を採点し、総合ランキングを作成した。結論から言うと、本命に選んだのは単勝16.8倍・7番人気という低評価の7歳馬。その理由を、データの見どころとあわせて紹介したい。
⑥ヴァルツァーシャル ― 「切れる7歳馬」という矛盾
7歳という年齢だけを見れば評価を下げたくなるところだが、中身を見ると穴を開けても驚けない材料が並ぶ。過去5走の上がり3F順位が5走中4走で2〜4位。ダート短距離戦は前半で脚を使い切って終わる馬が多いなかで、この馬はいつも最後まで足が残っている。調教タイム.txtにデータがあった5頭のTime1・Time3平均比較でもヴァルツァーシャルが最速だった。前走の平安ステークス(G3)でも8番人気ながら上がり2位を記録して2着に食い込んでおり、状態面の裏付けも十分。年齢的な壁を、切れ味と調教内容で覆せると見て本命に据えた。
○対抗:⑧ウェイワードアクト ― 直近の逃げ切りがそのまま怖い
3番人気・単勝5.7倍。前走のマリーンハンデ(函館ダ1700m)を通過順1-1-1の完全な逃げ切りで制しており、ペース面でも主導権を握れる可能性が高い一頭。ただし母父馬(マジェスティックウォリアー)以外に父(Maclean’s Music)のデータが実複勝率表に見当たらず、種牡馬項目はスコア上0点扱いにしている。それでも総合2位に食い込んでくる内容の濃さは評価したい。
▲単穴:⑤テーオーパスワード ― 1番人気は伊達じゃない
単勝2.8倍の断然人気。前走のアハルテイン特別(東京ダ1600m)を先行策から押し切って勝利しており、過去レースの平均PCI(上がり3Fの相対的な速さを示す指標)は出走11頭中最高値。先行しながら切れる、まさに死角の少ないタイプだ。ただし今回のファクター表で「騎手」区分の複勝率が11頭中最下位(松山弘平騎手 18.2%)だった点だけは押さえておきたい。
展開はどう転ぶか ― カギは「単独ハナ」になるかどうか
出走メンバーの直近走を通過順で並べ直すと、はっきりハナを主張しそうなのは⑧ウェイワードアクトほぼ単独。②レヴォントゥレット・⑤テーオーパスワードも先行タイプではあるが、直近は無理に競りかけず番手・3番手から運んで結果を出している。つまり激しい先行争いにはなりにくく、⑧が楽に隊列を作る「淀みないペース」になる可能性が高いと見ている。
面白いのは④ナチュラルライズ。過去5走のうち2回は逃げているが、直近の帝王賞(大井・格上挑戦)では通過12-10-9と後方からの競馬だった。「普段は先行馬」というイメージだけで買うと、直近の実戦感覚とズレるかもしれない。
伏線:7/18 函館マリーンハンデで4頭が対決済み
実は出走11頭のうち4頭が、前走で函館・マリーンハンデ(ダ1700m)に揃って出走している。同条件・同距離での実際の着差は、今回を占ううえで最も具体的な材料だ。
| 着順 | 馬名 | メモ |
|---|---|---|
| 1着 | ⑧ウェイワードアクト | 1番人気・上がり3F②位・逃げ切り |
| 2着 | ②レヴォントゥレット | 2番人気・0.6秒差 |
| 3着 | ⑨ヒルノハンブルク | 3番人気・0.8秒差・今回は乗替あり |
| 6着 | ⑦テーオードレフォン | 11番人気・1.3秒差 |
もう一つの前哨戦、5/23の平安ステークス(G3・京都ダ1900m)には本命⑥ヴァルツァーシャルと⑪の相手候補が参戦。ヴァルツァーシャルは8番人気ながら上がり2位で2着に食い込み、①アクションプランは6番人気で14着に沈んでいる。同じ流れの中での明暗が、今回の評価差にもそのまま表れている格好だ。
そしてもう一つ。⑪ペリエールは昨年のエルムS(同じ札幌ダ1700m)を制した実績馬。今回はコース経験が生きる可能性がある反面、長期休養明けの前走は4着に終えており、上積み次第という面もある。
展開別の穴馬ピックアップ
中段差し馬有利(⑧が止まらず前が壊滅するケース)
- 22.5倍⑨ヒルノハンブルク ― 前走マリーンHを7→5→4番手と着実に押し上げて3着。乗替の池添謙一への信頼度も加味した。
- 104.7倍⑦テーオードレフォン ― 昨年のエルムSにも出走(9番人気9着)しているコース経験馬。合計点こそ低いが、当てにいくなら超大穴の一角。
逃げ・先行馬有利(想定どおり⑧が楽に隊列を作るケース)
- 23.6倍②レヴォントゥレット ― 前走は終始3番手を追走して2着。10番人気まで評価を落としているが、先行力そのものは上位級。
- 7.9倍④ナチュラルライズ ― 平均PCIは出走11頭中2位で切れ味も十分。ただし直近は後方からの競馬だった点は割引材料。
総合ランキング
| 順位 | 枠 | 馬番 | 馬名 | 騎手 | 予想人気 | 予想オッズ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 4 | 6 | ヴァルツァーシャル | 斎藤新 | 7人気 | 16.8倍 |
| 2 | 6 | 8 | ウェイワードアクト | 舟山瑠泉 | 3人気 | 5.7倍 |
| 3 | 4 | 5 | テーオーパスワード | 松山弘平 | 1人気 | 2.8倍 |
| 4 | 3 | 4 | ナチュラルライズ | 横山武史 | 4人気 | 7.9倍 |
| 5 | 2 | 3 | ルクソールカフェ | 岩田望来 | 2人気 | 4.7倍 |
| 6 | 8 | 11 | ペリエール | 佐々木大 | 5人気 | 10.7倍 |
| 7 | 1 | 2 | レヴォントゥレット | 北村友一 | 10人気 | 23.6倍 |
| 8 | 7 | 9 | ヒルノハンブルク | 池添謙一 | 9人気 | 22.5倍 |
| 9 | 8 | 10 | オメガギネス | 岩田康誠 | 6人気 | 12.0倍 |
| 10 | 5 | 7 | テーオードレフォン | 古川吉洋 | 11人気 | 104.7倍 |
| 11 | 1 | 1 | アクションプラン | 浜中俊 | 8人気 | 21.0倍 |
買い目
軸は総合ランキングと展開予想を突き合わせて選んだ。総合1位は⑥ヴァルツァーシャルだが、想定ペースは「⑧単独ハナで淀みない〜やや流れる程度」。先行しながら出走11頭中トップのPCI(切れ味)を持つ⑤テーオーパスワードが、この展開に最も直接的に恩恵を受ける位置にいる。総合3位・527.7点と上位を維持している点も踏まえ、買い目の軸は⑤に一本化した(本命=総合評価トップは⑥のまま、軸=買い目の中心は展開適性を優先、という使い分け)。相手は「予想オッズ10倍以上」の合計点上位6頭に流す。
| 券種 | 組み合わせ(6点) |
|---|---|
| 馬連 | ⑤-⑥/⑤-⑪/⑤-②/⑤-⑨/⑤-⑩/⑤-⑦ |
| ワイド | ⑤-⑥/⑤-⑪/⑤-②/⑤-⑨/⑤-⑩/⑤-⑦ |
軸⑤は単勝2.8倍の1番人気で大きな配当は望みにくいが、相手側が軒並み10倍超のため中穴〜大穴の組み合わせが狙える。軸1頭流しなので⑤が3着を外すと共倒れになる点は弱点。的中重視なら③⑥⑧側にも保険を割く手もある。
採点方法についての補足
ファクター.txtに掲載の実複勝率データ(騎手・調教師・年齢・斤量・馬番・脚質・種牡馬・母父馬・間隔・前走各種)を最優先で使用。出馬表PDFから抽出した過去5走の成績・上がり3F順位・通過順・馬体重をもとに、間隔(休養週数)と実際の日付から前走を特定した。
母父馬・種牡馬データが表に見当たらない馬(母父:①②、父:⑧)は最下位相当扱い。「マリーンH」「アハルテイン特別」の前走クラスはレース名にタグが無いためOPEN級と推定した近似値であることも申し添えておく。
【結果】(2026年8月8日 1回札幌5日 11R 稍重)
着順:
1着 ③ルクソールカフェ(2人気・単勝4.7倍)/2着 ⑪ペリエール(5人気・単勝10.7倍)/3着 ⑤テーオーパスワード(1人気・単勝2.8倍・本紙▲単穴&買い目の軸)
払戻:
単勝 ③500円/複勝 ③200円・⑪190円・⑤170円/枠連 3-8 1330円/馬連 03-11 2020円/ワイド 03-11 710円・03-05 530円・05-11 540円/馬単 03-11 3550円/3連複 03-05-11 2950円/3連単 03-11-05 19010円
的中/不的中:
的中ワイド⑤-⑪(540円)。買い目軸に据えた▲単穴⑤テーオーパスワードは3着に粘り、軸選定自体は機能した。
不的中馬連(⑤-⑪)は軸⑤が3着までのため不的中。本命◎⑥ヴァルツァーシャルは5着、対抗○⑧ウェイワードアクトは8着でともに掲示板を外し、上位2頭の見立ては外れた。
振り返りメモ:
総合1位に置いた⑥(「7歳でも切れる」説)は着順に反映されず、想定した「⑧が単独ハナで楽なペース」も⑧自身が8着に沈んだことで展開読み自体がズレていた可能性がある。一方、総合評価だけでなく展開適性を理由に▲単穴から買い目の軸へ格上げした⑤は実際に掲示板内で最も安定しており、「本命=総合トップ」と「軸=展開適性重視」を使い分けた判断は結果的に有効だった。1着③ルクソールカフェは総合ランキング5位ながら穴馬ピックアップには挙げておらず、2番人気クラスの堅実な馬の拾い方は次走以降の課題としたい。


