【レース回顧】2026年10月12日・京都・第69回MBS賞スワンS(G2) ― 好位4番手のダイヤモンドノットがハナ差で粘り込み、最後方のスズハロームが上がり32.7秒で2着      

【レース回顧】2026年10月12日・京都・第69回MBS賞スワンS(G2) ― 好位4番手のダイヤモンドノットがハナ差で粘り込み、最後方のスズハロームが上がり32.7秒で2着

前半3F33.6秒の速い流れで、前の馬が次々と力尽きた京都の芝1400m。その中で4番手から粘ったダイヤモンドノットが、追い込んだスズハロームとオフトレイルをハナ・クビ差で振り切りました。ラップとPCIから、紙一重の決着を読み解きます。

①レース結果

着順馬番馬名騎手タイム通過順人気オッズ
11番ダイヤモンドノット横山武史1.19.24-426.1
24番スズハローム藤懸貴志1.19.216-16819.7
39番オフトレイル菅原明良1.19.211-1113.9
48番サンダーストラック吉村誠之1.19.46-61332.7
515番ジョイフルニュース(軸・総合1位)大野拓弥1.19.511-1146.8
613番マイネルチケット津村明秀1.19.58-959.7
75番ビッグシーザーM.デム1.19.510-101557.1
818番エリカエクスプレス武豊1.19.53-336.2
916番ランフォーヴァウ石川裕紀1.19.52-21683.3
1011番レザベーション原優介1.19.516-161231.4
1117番ミニトランザット西村淳也1.19.513-13920.6
1214番ワイドラトゥール北村友一1.19.713-131128.4
136番ウインマーベル松山弘平1.19.84-4718.6
1410番ララマセラシオン横山琉人1.20.113-131433.8
153番レイベリング鮫島克駿1.20.36-617139.5
1612番アイサンサン幸英明1.20.41-1616.8
172番ショウナンザナドゥ池添謙一1.20.68-61022.8
187番ネオトキオ安藤洋一1.21.518-1818212.3

②払戻

券種組番払戻金人気
単勝1¥6102
複勝1 / 4 / 9¥230 / ¥480 / ¥1602 / 8 / 1
枠連1-2¥4,11019
馬連1-4¥8,55033
ワイド1-4 / 1-9 / 4-9¥2,950 / ¥570 / ¥1,29040 / 1 / 11
馬単1→4¥13,85048
3連複1-4-9¥9,38021/816
3連単1→4→9¥64,430165/4896

③レースラップ解説

12.0 – 10.6 – 11.0 – 11.3 – 11.6 – 11.3 – 11.4(合計79.2秒=1.19.2)

2F目がいきなり10.6秒。最初の3Fは33.6秒で、京都外回りの芝1400mとしてもかなり速い入りでした。

前半3Fを1Fあたりに直すと平均11.20秒、後半3F(34.3秒)は平均11.43秒。前半の方が速い流れで、中盤の11.6秒で少し緩んだだけで、ラスト2Fも11.3-11.4秒と大きくは失速していません。「前傾ラップの持続力戦」で、最後まで脚を使い続けられるかが問われました。

1〜3着がハナ・クビ差、4着以下も0.3秒以内に8頭がひしめく大接戦。速い流れでも全体の脚色に大きな差はつかず、道中の位置取りと上がりのわずかな差が着順を分けた、紙一重のレースでした。

④PCIから見るレースペース

PCI(Pace Compensation Index・ペース補正指数)とは、レースの前半と後半のペース配分を数値化した指標で、「50」が基準値です。50を下回るほど前半が速く終始脚を使わされた「前傾ラップ(ハイペース)」、50を上回るほど前半が緩んで後半に脚をためられた「後傾ラップ(スロー〜ミドルペース)」だったことを示します。個々の馬の数値は、その馬自身の走破タイムを基準にした「自分なりのペース」と実際の上がり3Fとの比較で決まるため、同じレースでも馬ごとに違う値になります。数値の高低は脚の使い方の「型」を表すもので、馬の強さそのものを示すわけではありません。

出走18頭のPCI平均 51.4 基準値50付近(前傾寄りの持続力戦)

平均51.4は基準値50に近い数字です。ラップ解説のとおり、前半が速く、全体として「ためる余裕はそれほどなかった」レースだったことを示しています。

前に行った馬は軒並み数値が低く、逃げたアイサンサン(PCI44.9・16着)は出走馬で最も低い数値。2番手のランフォーヴァウ(47.8・9着)、3番手の1番人気予想エリカエクスプレス(48.8・8着)、4番手のウインマーベル(49.0・13着)も50を割り、速い流れで脚を削られました。

その中で、4番手から勝ち切ったダイヤモンドノットのPCIは50.7。先行勢で唯一50を上回り、上がりも33.8秒にまとめました。ためて切れたというより、速い流れでも止まらない持続力で押し切った勝ち方です。

反対に数値が最も高かったのは、2着スズハローム(56.7)。最後方16番手から上がり3Fは出走馬中最速の32.7秒を使い、ハナ差まで迫りました。同じ16番手にいたレザベーション(55.7)も上がり33.0秒を使いましたが10着。位置が同じでも、上がりの0.3秒の差が大きな着順差になっています。

⑤レース展開解説

序盤〜道中

ハナを切ったのはアイサンサン。2番手にランフォーヴァウ、3番手にエリカエクスプレス、4番手にダイヤモンドノットとウインマーベルが続きました。1番人気オフトレイルと軸のジョイフルニュースは11番手の中団、スズハロームとレザベーションは16番手の後方。2F目10.6秒の速い流れで、隊列は縦長になりました。

直線

前の3頭が直線半ばで失速するなか、4番手のダイヤモンドノットが抜け出して先頭へ。そこへ後方からスズハローム、中団からオフトレイルが猛然と追い込み、3頭がほぼ並んでゴール。ダイヤモンドノットがハナ差で粘り切り、スズハローム2着、オフトレイルがクビ差の3着でした。軸のジョイフルニュースはオフトレイルと同じ位置から伸びたものの、0.3秒及ばず5着です。

予想との答え合わせ

予想では「18頭中逃げ2頭(ショウナンザナドゥ・エリカエクスプレス)・先行2頭(レイベリング・ネオトキオ)・中団9頭・後方5頭。逃げ・先行勢がかなり少ないため差しが決まりやすい展開を想定。軸ジョイフルニュース(中団)はこの想定展開なら恵まれる形」としていました。「差しが決まりやすい」は半分当たりで、2・3着は後方・中団からの差しでした。ただし勝ったのは4番手のダイヤモンドノットで、速い流れでも好位が残る余地はありました。はっきり外れたのは隊列です。ハナを切ったアイサンサンは予想では「後方」タイプで、逃げ候補としたショウナンザナドゥは6〜8番手、先行候補のネオトキオは最後方18番手でした。直近走の通過順だけで脚質を決めると、今回のように乗り方を大きく変えてくる馬を読み違えます。

⑥レース回顧

勝ったダイヤモンドノットは3歳馬。速い流れの4番手という厳しい位置で、前の馬が次々と下がる中を最後まで踏ん張りました。PCI50.7という数字が示すとおり、前半から脚を使いながら止まらない持続力が光った勝利です。総合ランキングでは7位(予想3人気)の評価で、上位には挙げられませんでした。

2着スズハロームは8番人気。最後方から上がり32.7秒の豪脚で、勝ち馬をハナ差まで追い詰めました。総合12位の評価で、こちらもランキングでは拾えなかった馬です。3着オフトレイルは1番人気の意地を見せ、中団から上がり33.2秒で伸びています。

総合1位として軸に据えたジョイフルニュース(4番人気)は5着。位置取りはオフトレイルと同じ11番手で、展開面の読みは悪くありませんでした。それでも上がりが33.5秒と0.3秒遅く、最後の決め手の差で馬券圏内を逃しています。

大穴として総合2位に浮上したワイドラトゥールは12着、総合4位ララマセラシオンは14着と、総合ランキング上位の人気薄はいずれも振るいませんでした。総合上位3頭はジョイフルニュース・ワイドラトゥール・オフトレイル。10月14日に改めた軸選定ルール(総合上位3頭のうち予想人気が最上位の馬)なら、軸は3着のオフトレイルになっていた計算です。

⑦まとめ ― 次走注目馬・評価保留馬

次走注目馬

勝ったダイヤモンドノットは、速い流れを好位で受け止めて押し切る持続力が本物。3歳でこの内容なら、マイル前後の重賞でも主役級です。2着スズハロームは上がり32.7秒の切れ味が武器で、直線の長いコースや展開が向けば重賞勝ちも狙えます。13番人気4着のサンダーストラックも6番手から粘っており、穴で押さえたい1頭です。

評価保留馬

軸のジョイフルニュースは、位置取りは良かったものの決め手で一歩及ばず。距離や馬場が替わって改めて評価したい馬です。3番手から8着のエリカエクスプレスは、速い流れに巻き込まれた結果で、ペースが落ち着けば巻き返しも考えられます。

タイトルとURLをコピーしました