根岸ステークス(GIII)結果一覧
| 着順 | 馬番 | ブリンカー | 馬名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 上り3F | 人気 | オッズ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | B | ロードフォンス | 牡6 | 57 | 横山和生 | 1.23.3 | – | 35.5 | 6 | 13.2 |
| 2 | 10 | バトルクライ | 牡7 | 57 | 原優介 | 1.23.5 | 1 | 34.8 | 13 | 150.9 | |
| 3 | 7 | ダノンフィーゴ | 牡4 | 56 | 菅原明良 | 1.23.5 | クビ | 35.4 | 4 | 7.2 | |
| 4 | 3 | オメガギネス | 牡6 | 57 | 岩田康誠 | 1.23.7 | 1 1/2 | 35.6 | 5 | 8.9 | |
| 5 | 12 | マピュース | 牝4 | 54 | 田辺裕信 | 1.23.8 | 1/2 | 35.4 | 8 | 25.9 | |
| 6 | 9 | B | エンペラーワケア | 牡6 | 57 | 西村淳也 | 1.23.8 | ハナ | 36.2 | 2 | 3.9 |
| 7 | 1 | B | ウェイワードアクト | 牡6 | 57 | 戸崎圭太 | 1.23.9 | クビ | 36.4 | 3 | 5.0 |
| 8 | 5 | チカッパ | 牡5 | 57 | キング | 1.23.9 | クビ | 35.7 | 11 | 40.0 | |
| 9 | 8 | インユアパレス | 牡5 | 57 | 川田将雅 | 1.24.0 | クビ | 36.2 | 1 | 3.9 | |
| 10 | 15 | サントノーレ | 牡5 | 57 | 横山典弘 | 1.24.2 | 1 1/2 | 36.5 | 7 | 19.1 | |
| 11 | 6 | マテンロウコマンド | 牡4 | 57 | 松山弘平 | 1.24.2 | 頭 | 36.7 | 9 | 26.6 | |
| 12 | 16 | B | フェブランシェ | 牝6 | 55 | ルメール | 1.24.4 | 3/4 | 36.5 | 10 | 32.8 |
| 13 | 4 | アルファマム | 牝7 | 55 | 三浦皇成 | 1.24.5 | 1/2 | 36.1 | 12 | 65.0 | |
| 14 | 13 | B | メイショウカズサ | 牡9 | 57 | 武藤雅 | 1.24.6 | 1 | 35.5 | 15 | 216.1 |
| 15 | 14 | B | ネオトキオ | 牡6 | 57 | 安藤洋一 | 1.25.6 | 6 | 36.1 | 14 | 207.2 |
| 16 | 11 | ケイアイドリー | 牡9 | 57 | 杉原誠人 | 1.25.8 | 1 1/4 | 37.8 | 16 | 284.7 |
根岸ステークス(02-10-07 決着)
13番人気の激走で3連単166万円の波乱!
払戻金(配当)
| 券種 | 組合せ | 払戻金 | 人気(順位) |
|---|---|---|---|
| 単勝 | 2 | ¥1,320 | 6番人気 |
| 複勝 | 2 10 7 | ¥370¥2,290¥270 | 6番人気13番人気4番人気 |
| 枠連 | 1 – 5 | ¥840 | 3番人気 |
| 馬連 | 2 – 10 | ¥85,830 | 71番人気 |
| 馬単 | 2 – 10 | ¥164,220 | 143番人気 |
| ワイド | 2 – 10 2 – 7 7 – 10 | ¥16,460¥1,220¥15,210 | 73番人気14番人気66番人気 |
| 3連複 | 2 – 7 – 10 | ¥159,290 | 210番人気 |
| 3連単 | 2 – 10 – 7 | ¥1,660,430 | 1440番人気 |
レースラップ・指標
- ハロンタイム:
12.5 - 11.2 - 11.8 - 12.0 - 11.8 - 11.7 - 12.3 - 平均/3F: 1F: 11.90 / 3F: 35.70
- 通過タイム: 35.5 – 47.5 – 59.3 – 71.0
- 上がりタイム: 4F: 47.8 / 3F: 35.8
- レースPCI: 49.5(前が苦しくなるハイペース寄りの消耗戦)
2026年2月1日、フェブラリーステークスへの最重要ステップレース「根岸ステークス(G3)」が東京競馬場ダート1400mで行われました。
結果は、単勝6番人気のロードフォンスが力強く抜け出し優勝。しかし、2着に13番人気の伏兵バトルクライが飛び込み、三連単は15万馬券を超える波乱の結末となりました。一方で、単勝3.9倍の1番人気インユアパレスは9着、2番人気エンペラーワケアも6着に敗退。
この結果は単なる「荒れたレース」だったのでしょうか? それとも、必然の敗北と勝利が隠されていたのでしょうか? データの深層から、今回の根岸Sを徹底解剖します。
1. レースラップと「東京1400m」の特殊性
まずは、今回のレースを決定づけたラップ構成を確認しましょう。
- 勝ちタイム:1:23.3
- PCI(ペースチェンジ指数):51.0(ロードフォンス)
- 前後半バランス:前傾の消耗戦
東京ダート1400mは、芝スタートから始まり、直線の坂を二度超える(スタート直後とゴール前)タフなコースです。 今回の逃げ馬は3番人気のウェイワードアクト。これに2番人気のエンペラーワケアがぴたりと2番手でマークする形となりました。通過順位を見ると、上位勢は軒並み35秒台後半のラップを刻んでいますが、先行した2頭の上がり3Fは、ウェイワードアクトが36.4秒、エンペラーワケアが36.2秒。
これが今回のレースの最大のポイントです。 通常、東京ダート1400mで勝ち切るには、上がり35秒台前半の脚が求められます。しかし、先行勢は直線の坂で完全に足が止まってしまいました。これは、前を行く有力馬たちが互いを意識しすぎ、厳しいプレッシャーをかけ合った結果、典型的な「差し有利」の展開が生まれたことを意味しています。
2. 覇者ロードフォンス:横山和生の冷静な「5番手」
勝ったロードフォンス(横山和生騎手)の勝因は、先行2頭の争いから一歩引いた「5番手」という絶妙なポジション取りにありました。
■ ブリンカー効果と精神的な充実
今回はブリンカー着用での参戦。500kgの雄大な馬体を揺らし、道中は砂を被っても怯むことなく追走できました。横山和生騎手は、前のウェイワードアクトとエンペラーワケアがやり合っているのを冷静に見極め、深追いを避けました。 PCI 51.0という数字は、この馬が最も効率的にエネルギーを分配したことを証明しています。上がり35.5秒は、上位人気馬が沈む中で際立つ末脚でした。
■ 覚醒の6歳、いざG1へ
6歳にして重賞初制覇。血統的にも晩成の傾向があり、ここに来ての充実ぶりは目を見張るものがあります。特に、東京の長い直線で坂を物ともせず突き抜けたパワーは、本番のフェブラリーS(1600m)でも十分に通用する武器になるでしょう。
3. 驚愕の激走:13番人気バトルクライが示した「適性」
今回の波乱の主役は、2着に突っ込んだバトルクライ(原優介騎手)です。
単勝150.9倍という超低評価。しかし、彼の上がり3F「34.8秒」は出走馬中最速(タイ)でした。 道中は14番手付近の最後方待機。4コーナーを回った時点でもまだ圏外に見えましたが、大外に持ち出すと、先行馬たちが脚を失うのを尻目に猛然と追い上げました。
■ なぜここまで人気がなかったのか?
7歳という年齢、そして近走の振るわない成績が嫌われた形ですが、原優介騎手は「展開が向けばこれくらいは走れる」という自信を持って乗っていたように見えます。 PCI 55.0という数字が示す通り、極端な「追い込み特化」の競馬。これが、前が潰れた今回の展開に120分合致しました。ただし、次走以降も再現性があるかと言われれば、展開の助けが必要なタイプであることは間違いありません。
4. 有力馬の敗因:なぜ「3強」は崩れたのか
① インユアパレス(1番人気 / 9着)
川田将雅騎手を背に圧倒的支持を受けましたが、無念の9着。 敗因は「ポジション」と「リズム」でしょう。5番手追走と、位置取り自体は勝ち馬ロードフォンスと同じでしたが、道中で外から被される場面があり、終始窮屈な競馬を強いられました。5番人気前後の馬ならともかく、1番人気としてマークされる立場の辛さが出た一戦です。上がり36.2秒は、彼本来の力ではありません。
② エンペラーワケア(2着人気 / 6着)
西村淳也騎手が果敢に2番手を奪いに行きましたが、結果的にこれが仇となりました。 逃げたウェイワードアクトを捕まえに行くタイミングが早すぎ、自身も上がり36.2秒と失速。ブリンカーを着用していたことで、少し力んで走ってしまった可能性もあります。能力的には今回のメンバーでもトップクラスですが、今回は「勝ちに行く競馬」が展開に合いませんでした。
③ ウェイワードアクト(3番人気 / 7着)
戸崎圭太騎手による逃げ。 12.0 – 10.8 – 11.4(推定)といったラップで飛ばしましたが、東京の坂を二度こなすには1400mでも少し厳しかった。PCI 47.9という極端な前傾ラップを刻んでしまい、文字通り「目標」にされてしまいました。
5. 【プロの眼】次走狙える「隠れた実力馬」
掲示板を確保した馬たちの中に、非常に面白い馬がいます。
★ ダノンフィーゴ(3着 / 4歳)
4歳馬ながら56kgを背負い、3着に食い込んだこの馬は次走以降の「お宝馬」です。 上がり35.4秒は、勝ち馬ロードフォンス(35.5秒)を上回る数字。菅原明良騎手が巧みに内から伸ばしましたが、あと一歩届かず。しかし、上位に食い込んだ馬の中で唯一の4歳馬であり、伸び代はナンバーワンです。武蔵野Sや今後の交流重賞でも即通用する器です。
★ オメガギネス(4着)
岩田康誠騎手を背に、10番手から上がり35.6秒。 道中でスムーズさを欠く場面がありながら、最後はしぶとく伸びてきました。この馬の精神力の強さは特筆もので、多頭数の揉まれる競馬を経験したことは、今後の大きな収穫になるはずです。
6. フェブラリーSへの展望とまとめ
今回の根岸ステークスは、**「実力はあるが展開に泣いた人気馬」と「展開を味方につけた経験豊富なベテラン馬」**のコントラストがはっきりと出たレースでした。
本番のフェブラリーステークスへ向けての指針は以下の通りです。
- ロードフォンスは「本物」: 東京コースの坂を克服し、PCIのバランスも良い。1600mへの距離延長も血統背景からこなせるはず。
- エンペラーワケアは別定戦でこそ: 今回の敗戦で人気を落とすなら、本番では絶好の狙い目。控える競馬ができれば、逆転の余地は十分。
- 4歳勢の台頭: ダノンフィーゴが見せた末脚は、世代交代を予感させるもの。
東京ダート1400mという特殊な舞台が作り出した波乱。しかし、その中身を解剖すれば、各馬の能力と課題が鮮明に見えてきます。
この回顧を読んだ皆様が、2週間後のG1フェブラリーステークスで勝利の美酒に酔いしれることを願っております。


