
【回顧】2026年8月23日 第21回キーンランドカップ(G3) ― 2番手追走のサウンドモリアーナが差し切り、単騎ハナの9歳ウインカーネリアンが意地の3着
2026年8月23日、札幌・芝1200mで行われた第21回キーンランドカップ(G3)は、1番人気パンジャタワーが2着に順当に走った一方、勝ったのは7番人気サウンドモリアーナ。平均PCI51.5とほぼ標準的な数値が示す通り、極端な消耗戦にも瞬発力比べにもならなかったこのレースを、ラップ・PCI・実際の通過順位から掘り下げる。
レース結果(全馬)
| 着順 | 馬番 | 馬名 | 騎手 | タイム | 通過順(3-4角) | 人気 | 単勝オッズ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 14 | サウンドモリアーナ | 武豊 | 1.07.7 | 2-2 | 5人気 | 12.9倍 |
| 2 | 3 | パンジャタワー | 松山弘平 | 1.07.9 | 6-6 | 1人気 | 1.9倍 |
| 3 | 8 | ウインカーネリアン(B) | 三浦皇成 | 1.08.0 | 1-1 | 3人気 | 9.8倍 |
| 4 | 4 | エーティーマクフィ(B) | 富田暁 | 1.08.0 | 6-6 | 4人気 | 12.1倍 |
| 5 | 16 | ロードフォアエース | 岩田望来 | 1.08.2 | 13-11 | 12人気 | 55.2倍 |
| 6 | 13 | ロジケープ | 丹内祐次 | 1.08.3 | 8-8 | 2人気 | 6.3倍 |
| 7 | 9 | イツモニコニコ(B) | ナレドゥ | 1.08.4 | 4-3 | 13人気 | 79.3倍 |
| 8 | 10 | ダノンマッキンリー | 池添謙一 | 1.08.6 | 15-15 | 9人気 | 22.6倍 |
| 9 | 11 | リラエンブレム | ルメール | 1.08.6 | 16-16 | 10人気 | 31.6倍 |
| 10 | 5 | ゾンニッヒ | ロイド | 1.08.7 | 11-8 | 11人気 | 44.9倍 |
| 11 | 2 | ルシード | レーン | 1.08.7 | 4-3 | 7人気 | 18.4倍 |
| 12 | 6 | ジョーメッドヴィン | 吉村智洋 | 1.08.8 | 8-13 | 14人気 | 138.3倍 |
| 13 | 1 | ナムラクララ | 浜中俊 | 1.08.9 | 8-8 | 8人気 | 22.0倍 |
| 14 | 7 | マイネルジェロディ | ヴェロン | 1.08.9 | 11-11 | 16人気 | 291.7倍 |
| 15 | 15 | エイシンディード | 川又賢治 | 1.09.2 | 3-3 | 6人気 | 16.2倍 |
| 16 | 12 | レッドアヴァンティ | 岩田康誠 | 1.09.3 | 13-13 | 15人気 | 206.2倍 |
※(B)はブリンカー着用。通過順は3角-4角の順位(このレースは1・2角の記録なし)。
払戻(全配当)
| 券種 | 組番 | 払戻金 | 人気 |
|---|---|---|---|
| 単勝 | 14 | ¥1,290 | 5人気 |
| 複勝 | 14/3/8 | ¥300/¥110/¥270 | 5人気/1人気/3人気 |
| 枠連 | 2-7 | ¥420 | 1人気 |
| 馬連 | 03-14 | ¥1,520 | 5人気 |
| ワイド | 03-14/08-14/03-08 | ¥590/¥1,720/¥480 | 4人気/19人気/3人気 |
| 馬単 | 14-03 | ¥4,700 | 14人気 |
| 3連複 | 03-08-14 | ¥4,540 | 15人気(560通り中) |
| 3連単 | 14-03-08 | ¥36,780 | 113人気(3360通り中) |
① レースラップの解説
ラップ: 12.1 – 10.8 – 11.1 – 11.2 – 11.1 – 11.4
平均: 1F 11.28 / 3F 33.85
初速12.1から2F目でいきなり10.8まで加速しており、テンから隊列を作りにいく1200m戦らしい入り。中盤は11.1〜11.2で足並みが揃い、そのまま横一線でスピードを保つ流れに。注目すべきは最後の1Fがむしろ11.4とわずかに緩んでいる点で、全体としては派手な瞬発力勝負ではなく、中盤の速さをそのまま押し切る「持続力型」の決着だったことが読み取れる。平均上り3F33.85も、1200m・G3としては標準的な水準にとどまった。
② PCIで見るペースの質
全16頭のPCI平均は51.5で、基準値50をわずかに上回る程度。1200m戦は前傾ラップ(PCI50未満)になりやすいのが一般論だが、今回はほぼ均衡したペースだったと言える。
| 馬名 | PCI | 通過(3-4角) | 着順 | メモ |
|---|---|---|---|---|
| リラエンブレム | 55.4 | 16-16 | 9着 | 数値最大。脚は使えたが最後方すぎて届かず |
| ロードフォアエース | 54.2 | 13-11 | 5着 | 後方から2手前まで押し上げ、12人気で5着 |
| パンジャタワー | 52.7 | 6-6 | 2着 | 上位争いの中では最も高いPCI |
| サウンドモリアーナ | 51.5 | 2-2 | 1着 | 2番手追走。数値は平凡でも位置取りで勝ち切った |
| ウインカーネリアン | 50.0 | 1-1 | 3着 | 単独ハナから基準ペースぴったりで押し切り粘走 |
| エイシンディード | 47.7 | 3-3 | 15着 | 数値最小。早めに脚を使い切り最も失速 |
※PCIはペース配分の型を示す指数で、数値の高低は馬の強さや優劣を表すものではない。数値のみで「強い/弱い」を断定しないよう留意した。
③ レース展開の詳細
スタートからウインカーネリアンが単独で先頭に立ち(1-1)、直後にサウンドモリアーナがぴったり2番手をキープ(2-2)。3番手にエイシンディード、4番手集団にイツモニコニコ・ルシードが並び、パンジャタワー・エーティーマクフィは6番手のやや後ろに構えた。直線に入るとサウンドモリアーナが早めに動いてウインカーネリアンとの差を詰め、そのまま先頭を奪ってゴール。パンジャタワーは6番手から脚を伸ばして2着まで押し上げた。
予想時点では「中団6頭が最多構成で瞬発力比べにはなりにくい」と見立てたが、実際は中団からの深い差しではなく、2番手追走組の早仕掛けが決め手になった。展開別穴馬として推したサウンドモリアーナ(逃げ・先行馬有利枠)はまさにこの位置取りから1着。一方リラエンブレム(中段差し馬有利枠)は最後方(16-16)から動けずじまいで9着に沈んだ。
④ レース回顧
1着 サウンドモリアーナ(武豊): 2番手追走から直線早めに動いて差し切り。上り3F33.6は全体で見ればタイ4位の数値にすぎないが、絶好の2番手という位置取りがそのまま勝利に直結した。展開読みが的中した典型例。
2着 パンジャタワー(松山弘平): 6番手から脚を伸ばし、1番人気の看板通りにきっちり連対。PCI52.7は上位争いの中で最も高く、展開が向けばさらに際どい勝負ができた可能性もある。
3着 ウインカーネリアン(三浦皇成): 9歳・ブリンカー着用。単独ハナから最後まで脚いろが衰えず、後続を凌いで3着を確保。PCIちょうど50.0という数値が示す通り、終始自分のペースを守り切った理想的なレース運びだった。
買い目の結果: 軸③パンジャタワーが2着、相手⑭サウンドモリアーナが1着でワイド「③-⑭」が的中(¥590)。中段差し馬有利枠で推したリラエンブレムは9着に終わったが、代わりに無印だったロードフォアエース(12人気5着)が穴党の視点から光る内容を見せた。
⑤ まとめ:次走注目馬・評価保留の馬
次走注目
ロードフォアエース ― 12人気ながら13番手から11番手まで押し上げて5着。上り3F33.4はリラエンブレムと並ぶ全体最速タイで、展開ひとつで台頭余地十分。
ウインカーネリアン ― 9歳でも単独ハナから3着死守。ブリンカー効果と経験値の高さがまだ通用することを証明した。
評価保留
リラエンブレム ― ルメール騎乗も終始最後方(16-16)。PCI55.4はレース最高値ながら位置取りが響き9着。次走は枠・展開に恵まれたい。
イツモニコニコ ― 調教は良かったが13人気7着。4角3番手まで押し上げたものの、直線で伸びを欠いた。

