
【回顧】2026年8月23日 第46回新潟2歳ステークス(G3) ― 単騎先行のインカルナータ・マイホームパパは不発、平均PCI60超の瞬発力比べをレッチュベルクが制す
2026年8月23日、新潟・芝1600m外回りで行われた第46回新潟2歳ステークス(G3)は、単独で先手を主張した1番人気インカルナータが9着に沈む波乱の内容に。全10頭の平均PCIは60.4という高水準を記録し、後方から脚を伸ばした馬たちが上位を独占した。ラップ・PCI・通過順位から、この決着の中身を詳しく見ていく。
レース結果(全馬)
| 着順 | 馬番 | 馬名 | 騎手 | タイム | 通過順(3-4角) | 人気 | 単勝オッズ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | レッチュベルク | 田辺裕信 | 1.34.7 | 5-4 | 1人気 | 2.8倍 |
| 2 | 7 | トウシンマジック | コレット | 1.34.9 | 4-4 | 2人気 | 4.0倍 |
| 3 | 3 | トップチェッカー | 北村友一 | 1.35.4 | 5-6 | 5人気 | 8.2倍 |
| 4 | 9 | スイートアリッサム | 杉原誠人 | 1.35.5 | 7-8 | 6人気 | 19.8倍 |
| 5 | 1 | シャンデヴァーグ | 津村明秀 | 1.36.0 | 7-7 | 3人気 | 4.3倍 |
| 6 | 6 | マインドフルネス | 菊沢一樹 | 1.36.0 | 9-9 | 7人気 | 40.3倍 |
| 7 | 5 | エレスレイプニル | 木幡育也 | 1.36.5 | 3-3 | 9人気 | 113.4倍 |
| 8 | 4 | アイデアルカット | 嶋田純次 | 1.37.0 | 9-9 | 8人気 | 110.6倍 |
| 9 | 10 | インカルナータ | 坂井瑠星 | 1.37.4 | 1-1 | 4人気 | 5.0倍 |
| 10 | 8 | マイホームパパ | 江田照男 | 1.37.7 | 2-2 | 10人気 | 185.0倍 |
※通過順は3角-4角の順位(このレースは1・2角の記録なし)。
払戻(全配当)
| 券種 | 組番 | 払戻金 | 人気 |
|---|---|---|---|
| 単勝 | 2 | ¥280 | 1人気 |
| 複勝 | 2/7/3 | ¥120/¥140/¥180 | 1人気/2人気/5人気 |
| 枠連 | 2-7 | ¥700 | 3人気 |
| 馬連 | 02-07 | ¥700 | 3人気 |
| ワイド | 02-07/02-03/03-07 | ¥260/¥400/¥480 | 2人気/7人気/9人気 |
| 馬単 | 02-07 | ¥1,200 | 4人気 |
| 3連複 | 02-03-07 | ¥1,540 | 7人気(120通り中) |
| 3連単 | 02-07-03 | ¥5,810 | 21人気(720通り中) |
① レースラップの解説
ラップ: 12.6 – 11.0 – 11.9 – 13.1 – 13.1 – 11.2 – 10.7 – 11.1
平均: 1F 11.84 / 3F 35.51
初速12.6からわずかに加速して11.0を刻んだあと、中盤の3F(11.9-13.1-13.1)で明確に緩む「中だるみ」の形に。2歳戦・小頭数らしい落ち着いた入りだが、この中盤の緩みが終盤の11.2-10.7-11.1という加速をそのまま呼び込んだ。前半に脚を使わせず、後半勝負に持ち込む典型的な「スロー・瞬発力比べ」のラップ構成であり、平均3F35.51という数字以上に「終いの切れ味」が問われる一戦だったと言える。
② PCIで見るペースの質
全10頭のPCI平均は60.4。基準値50を大幅に上回り、同日行われたキーンランドカップ(平均51.5)と比べても際立って高い。中盤の緩みがそのまま「後半に脚を溜めた馬が浮上する」展開に直結したことを裏付ける数値である。
| 馬名 | PCI | 通過(3-4角) | 着順 | メモ |
|---|---|---|---|---|
| レッチュベルク | 63.2 | 5-4 | 1着 | 数値最大。5番手から抜け出し完勝 |
| マインドフルネス | 63.0 | 9-9 | 6着 | 数値2番目も最後方すぎて届かず |
| スイートアリッサム | 62.6 | 7-8 | 4着 | 7番手から迫るも半馬身届かず |
| トウシンマジック | 62.5 | 4-4 | 2着 | 4番手から脚を伸ばし僅差2着 |
| シャンデヴァーグ | 60.4 | 7-7 | 5着 | 総合1位軸。展開は合ったが一枚足りず |
| マイホームパパ | 52.8 | 2-2 | 10着 | 数値最小。2番手先行策がスタミナ切れに直結 |
※単独先頭のインカルナータもPCI61.4と数値上は決して低くなかったが、9着に終わった。中盤の緩みで脚を溜め切れなかった先行勢に対し、後方勢の「溜めて弾ける」脚が終始上回った一戦だったと言える。
③ レース展開の詳細
スタートからインカルナータが単独で先頭に立ち(1-1)、2番手にマイホームパパ(2-2)、3番手にエレスレイプニル(3-3)が続く隊列。中団にトウシンマジック(4-4)、その後ろにレッチュベルク(5番手→4角で4番手)。シャンデヴァーグ・スイートアリッサムは7番手前後の後方寄りに構え、マインドフルネス・アイデアルカットは9番手と最後方付近に位置した。中盤で大きく緩んだラップがそのまま前方2頭の脚を削り、直線では中団から後方の馬たちが一斉に前をかわしていく展開となった。
予想時点では「逃げ・先行実績馬はレッチュベルクとインカルナータのみでいずれも人気サイド」として逃げ・先行馬有利枠の穴馬は見送り、中段差し馬有利枠にスイートアリッサムを挙げていた。実際は先行勢が総崩れとなる完全な差し決着となり、展開の方向性そのものは的中。ただし軸に据えたシャンデヴァーグ自身も後方寄りの位置取りから抜け出せず5着に敗れ、想定した「無理のない立ち位置」だけでは足りなかった。
④ レース回顧
1着 レッチュベルク(田辺裕信): 5番手追走からPCI全体最高となる伸び脚で差し切り。2歳戦のこの時期にここまでの瞬発力を見せたのは能力の証で、次走以降も中心格を張れる内容。
2着 トウシンマジック(コレット): 4番手から脚を伸ばし僅差の2着。新馬勝ちからの連勝は逃したが、上積みは十分に感じさせる負け方だった。
3着 トップチェッカー(北村友一): 5〜6番手からじわりと押し上げて3着を確保。展開に左右されにくい堅実な内容。
4着 スイートアリッサム(杉原誠人): 中段差し馬有利枠の穴馬として推した1頭。7番手からPCI62.6という全体2番目の伸びを見せ、あと半馬身まで肉薄。狙い自体はほぼ的中に近い内容だった。
5着 シャンデヴァーグ(津村明秀): 総合1位・軸に据えた馬。7番手から脚を伸ばしたがPCI60.4は上位3頭にわずかに及ばず、届かなかった。3連複の相手②レッチュベルク・③トップチェッカー・⑦トウシンマジックはすべて的中しており、軸の僅差負けが悔やまれる結果になった。
9着 インカルナータ(坂井瑠星): 1番人気で単独先頭も、直線で一気に飲み込まれた。前残りを許さない中だるみ→瞬発力勝負のラップ構成が最大の敗因と言える。
⑤ まとめ:次走注目馬・評価保留の馬
次走注目
スイートアリッサム ― 4着とあと一歩ながら、全体2番目のPCI62.6を記録。距離が延びても十分通用しそうな脚を見せた。
トップチェッカー ― 中団から堅実に3着を確保。展開に左右されにくい安定感があり、相手が変わっても崩れにくいタイプ。
評価保留
シャンデヴァーグ ― 展開はほぼ理想通りだったが瞬発力で一枚足りず5着。マイル戦でこの相手なら足りるか、距離延長も含めて次走の狙いを見極めたい。
インカルナータ ― 単独先頭も直線で失速し9着。次走は距離短縮か、控える競馬への脚質転換が課題になりそう。


