【徹底回顧】2026年 根岸S:断然人気の崩壊と「消耗戦」の真実。ロードフォンスが示した砂の王道への資質

レース回顧

根岸ステークス(GIII)結果一覧

着順馬番ブリンカー馬名性齢斤量騎手タイム着差上り3F人気オッズ
12Bロードフォンス牡657横山和生1.23.335.5613.2
210バトルクライ牡757原優介1.23.5134.813150.9
37ダノンフィーゴ牡456菅原明良1.23.5クビ35.447.2
43オメガギネス牡657岩田康誠1.23.71 1/235.658.9
512マピュース牝454田辺裕信1.23.81/235.4825.9
69Bエンペラーワケア牡657西村淳也1.23.8ハナ36.223.9
71Bウェイワードアクト牡657戸崎圭太1.23.9クビ36.435.0
85チカッパ牡557キング1.23.9クビ35.71140.0
98インユアパレス牡557川田将雅1.24.0クビ36.213.9
1015サントノーレ牡557横山典弘1.24.21 1/236.5719.1
116マテンロウコマンド牡457松山弘平1.24.236.7926.6
1216Bフェブランシェ牝655ルメール1.24.43/436.51032.8
134アルファマム牝755三浦皇成1.24.51/236.11265.0
1413Bメイショウカズサ牡957武藤雅1.24.6135.515216.1
1514Bネオトキオ牡657安藤洋一1.25.6636.114207.2
1611ケイアイドリー牡957杉原誠人1.25.81 1/437.816284.7

根岸ステークス(02-10-07 決着)

13番人気の激走で3連単166万円の波乱!

払戻金(配当)

券種組合せ払戻金人気(順位)
単勝2¥1,3206番人気
複勝2 10 7¥370¥2,290¥2706番人気13番人気4番人気
枠連1 – 5¥8403番人気
馬連2 – 10¥85,83071番人気
馬単2 – 10¥164,220143番人気
ワイド2 – 10 2 – 7 7 – 10¥16,460¥1,220¥15,21073番人気14番人気66番人気
3連複2 – 7 – 10¥159,290210番人気
3連単2 – 10 – 7¥1,660,4301440番人気

レースラップ・指標

  • ハロンタイム: 12.5 - 11.2 - 11.8 - 12.0 - 11.8 - 11.7 - 12.3
  • 平均/3F: 1F: 11.90 / 3F: 35.70
  • 通過タイム: 35.5 – 47.5 – 59.3 – 71.0
  • 上がりタイム: 4F: 47.8 / 3F: 35.8
  • レースPCI: 49.5(前が苦しくなるハイペース寄りの消耗戦)

2026年2月1日、フェブラリーステークスへの最重要ステップレース「根岸ステークス(G3)」が東京競馬場ダート1400mで行われました。

結果は、単勝6番人気のロードフォンスが力強く抜け出し優勝。しかし、2着に13番人気の伏兵バトルクライが飛び込み、三連単は15万馬券を超える波乱の結末となりました。一方で、単勝3.9倍の1番人気インユアパレスは9着、2番人気エンペラーワケアも6着に敗退。

この結果は単なる「荒れたレース」だったのでしょうか? それとも、必然の敗北と勝利が隠されていたのでしょうか? データの深層から、今回の根岸Sを徹底解剖します。

1. レースラップと「東京1400m」の特殊性

まずは、今回のレースを決定づけたラップ構成を確認しましょう。

  • 勝ちタイム:1:23.3
  • PCI(ペースチェンジ指数):51.0(ロードフォンス)
  • 前後半バランス:前傾の消耗戦

東京ダート1400mは、芝スタートから始まり、直線の坂を二度超える(スタート直後とゴール前)タフなコースです。 今回の逃げ馬は3番人気のウェイワードアクト。これに2番人気のエンペラーワケアがぴたりと2番手でマークする形となりました。通過順位を見ると、上位勢は軒並み35秒台後半のラップを刻んでいますが、先行した2頭の上がり3Fは、ウェイワードアクトが36.4秒、エンペラーワケアが36.2秒。

これが今回のレースの最大のポイントです。 通常、東京ダート1400mで勝ち切るには、上がり35秒台前半の脚が求められます。しかし、先行勢は直線の坂で完全に足が止まってしまいました。これは、前を行く有力馬たちが互いを意識しすぎ、厳しいプレッシャーをかけ合った結果、典型的な「差し有利」の展開が生まれたことを意味しています。

2. 覇者ロードフォンス:横山和生の冷静な「5番手」

勝ったロードフォンス(横山和生騎手)の勝因は、先行2頭の争いから一歩引いた「5番手」という絶妙なポジション取りにありました。

■ ブリンカー効果と精神的な充実

今回はブリンカー着用での参戦。500kgの雄大な馬体を揺らし、道中は砂を被っても怯むことなく追走できました。横山和生騎手は、前のウェイワードアクトとエンペラーワケアがやり合っているのを冷静に見極め、深追いを避けました。 PCI 51.0という数字は、この馬が最も効率的にエネルギーを分配したことを証明しています。上がり35.5秒は、上位人気馬が沈む中で際立つ末脚でした。

■ 覚醒の6歳、いざG1へ

6歳にして重賞初制覇。血統的にも晩成の傾向があり、ここに来ての充実ぶりは目を見張るものがあります。特に、東京の長い直線で坂を物ともせず突き抜けたパワーは、本番のフェブラリーS(1600m)でも十分に通用する武器になるでしょう。

3. 驚愕の激走:13番人気バトルクライが示した「適性」

今回の波乱の主役は、2着に突っ込んだバトルクライ(原優介騎手)です。

単勝150.9倍という超低評価。しかし、彼の上がり3F「34.8秒」は出走馬中最速(タイ)でした。 道中は14番手付近の最後方待機。4コーナーを回った時点でもまだ圏外に見えましたが、大外に持ち出すと、先行馬たちが脚を失うのを尻目に猛然と追い上げました。

■ なぜここまで人気がなかったのか?

7歳という年齢、そして近走の振るわない成績が嫌われた形ですが、原優介騎手は「展開が向けばこれくらいは走れる」という自信を持って乗っていたように見えます。 PCI 55.0という数字が示す通り、極端な「追い込み特化」の競馬。これが、前が潰れた今回の展開に120分合致しました。ただし、次走以降も再現性があるかと言われれば、展開の助けが必要なタイプであることは間違いありません。

4. 有力馬の敗因:なぜ「3強」は崩れたのか

① インユアパレス(1番人気 / 9着)

川田将雅騎手を背に圧倒的支持を受けましたが、無念の9着。 敗因は「ポジション」と「リズム」でしょう。5番手追走と、位置取り自体は勝ち馬ロードフォンスと同じでしたが、道中で外から被される場面があり、終始窮屈な競馬を強いられました。5番人気前後の馬ならともかく、1番人気としてマークされる立場の辛さが出た一戦です。上がり36.2秒は、彼本来の力ではありません。

② エンペラーワケア(2着人気 / 6着)

西村淳也騎手が果敢に2番手を奪いに行きましたが、結果的にこれが仇となりました。 逃げたウェイワードアクトを捕まえに行くタイミングが早すぎ、自身も上がり36.2秒と失速。ブリンカーを着用していたことで、少し力んで走ってしまった可能性もあります。能力的には今回のメンバーでもトップクラスですが、今回は「勝ちに行く競馬」が展開に合いませんでした。

③ ウェイワードアクト(3番人気 / 7着)

戸崎圭太騎手による逃げ。 12.0 – 10.8 – 11.4(推定)といったラップで飛ばしましたが、東京の坂を二度こなすには1400mでも少し厳しかった。PCI 47.9という極端な前傾ラップを刻んでしまい、文字通り「目標」にされてしまいました。

5. 【プロの眼】次走狙える「隠れた実力馬」

掲示板を確保した馬たちの中に、非常に面白い馬がいます。

★ ダノンフィーゴ(3着 / 4歳)

4歳馬ながら56kgを背負い、3着に食い込んだこの馬は次走以降の「お宝馬」です。 上がり35.4秒は、勝ち馬ロードフォンス(35.5秒)を上回る数字。菅原明良騎手が巧みに内から伸ばしましたが、あと一歩届かず。しかし、上位に食い込んだ馬の中で唯一の4歳馬であり、伸び代はナンバーワンです。武蔵野Sや今後の交流重賞でも即通用する器です。

★ オメガギネス(4着)

岩田康誠騎手を背に、10番手から上がり35.6秒。 道中でスムーズさを欠く場面がありながら、最後はしぶとく伸びてきました。この馬の精神力の強さは特筆もので、多頭数の揉まれる競馬を経験したことは、今後の大きな収穫になるはずです。

6. フェブラリーSへの展望とまとめ

今回の根岸ステークスは、**「実力はあるが展開に泣いた人気馬」「展開を味方につけた経験豊富なベテラン馬」**のコントラストがはっきりと出たレースでした。

本番のフェブラリーステークスへ向けての指針は以下の通りです。

  1. ロードフォンスは「本物」: 東京コースの坂を克服し、PCIのバランスも良い。1600mへの距離延長も血統背景からこなせるはず。
  2. エンペラーワケアは別定戦でこそ: 今回の敗戦で人気を落とすなら、本番では絶好の狙い目。控える競馬ができれば、逆転の余地は十分。
  3. 4歳勢の台頭: ダノンフィーゴが見せた末脚は、世代交代を予感させるもの。

東京ダート1400mという特殊な舞台が作り出した波乱。しかし、その中身を解剖すれば、各馬の能力と課題が鮮明に見えてきます。

この回顧を読んだ皆様が、2週間後のG1フェブラリーステークスで勝利の美酒に酔いしれることを願っております。

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