中京ダート１９００ｍ
中京ダート１９００ｍ解説
■コースの特徴：スタート直後の急坂！超過酷なスタミナ消耗戦
まず、このコースがいかに馬のスタミナを限界まで削るレイアウトになっているか、その構造から見ていきましょう。
- スタートはゴール前の急坂”途中”から！
ホームストレッチの真ん中、名物の急坂の途中からスタートするという、いきなりパワーが試されるタフな設定です。1コーナーまでの距離も短く、序盤のポジション争いが激しくなります。 - 息つく暇のないアップダウンの連続
1～2コーナーはほぼ平坦ですが、向正面に入ると再び緩やかな上り坂。そしてコースの頂点を過ぎると、今度はゴール前の直線入り口まで、約600mにわたって長い下り坂が続きます。 - 長くてタフな最後の直線が二度目の試練
1周目で経験した中京名物のタフな直線が、ゴール前で再び待ち構えます。- 直線の長さ：410.7m。JRA全場のダートコースで東京に次ぐ長さ。
- 急な上り坂：ゴール手前には高低差1.8mの急坂。この勾配は中山ダートに次ぐキツさを誇り、疲労困憊の馬たちに最後の壁として立ちはだかります。
1900mという中途半端な距離設定の中で、スタート直後とゴール前の2度も急坂を上り下りするレイアウト。スピードやパワーはもちろんのこと、何よりも最後までバテない強靭なスタミナと根性が絶対条件となる、日本一タフなコースの一つです。
■レース傾向：「先行有利」も「逃げ」は苦戦？独特の脚質序列
これだけタフなコースであれば、レース傾向も非常に特徴的なものになります。
逃げ・先行有利度は”中位”のワケ
ペースは1800m戦よりやや緩みがちですが、コース形態が過酷なため、どの馬も最後は脚が上がります。この**「バテ比べ」の展開で有利になるのは、やはり前でレースを進める馬**です。
しかし、注目すべきは**「先行馬のほうが逃げ馬よりレースをしやすい」**という点。これは、長い道中で目標にされる逃げ馬よりも、番手で上手く脚を溜めた先行馬のほうが、最後の坂で粘りを利かせやすいことを示しています。
脚質の序列
- 先行: 最もレースがしやすく、勝ちパターンも多い王道の脚質。
- 差し: 前の馬がバテれば、十分にチャンスがある。
- 逃げ: 先行馬よりマークが厳しくなり、粘り切るには相当な能力が必要。
- 追い込み: 長い直線があっても、前との差を詰めるのは絶望的。基本的には「消し」でOK。
■馬券のヒント：狙いはセオリー通り「外枠」から！
サンプル数は少ないながらも、枠順には明確な傾向が見られます。
- 外枠有利の傾向
スタートから最初のコーナーまでが長く、ゆったりと自分のポジションを確保できる**「外枠」の好走馬が多くなっています。**揉まれる心配が少なく、スムーズに先行集団に取り付ける外枠は、このコースにおいて有利に働くと言えるでしょう。
■結論：中京ダート1900m 攻略の3か条
- 脚質は「先行馬」を最優先！
逃げ馬よりも、好位でレースを運べるセンスの良い先行馬を狙いましょう。「追い込み馬」は評価を下げるのが賢明です。 - 枠順は「外枠」を優遇すべし！
迷ったら外枠の馬を上位に。特に先行力のある馬が外枠に入ったらチャンスです。 - 絶対的なスタミナを持つ馬を探せ！
距離実績はもちろん、最後までバテずに伸び続けられるパワーと根性を持った馬が、この過酷なレースを制します。
これらのポイントをしっかり押さえ、JRAで唯一無二の特殊コースを完全攻略し、勝利をその手に掴んでください！
中京ダート１９００ｍデータ(２０１９年～２０２４年)
騎手
騎手考察
■【騎手編】コースの達人＆危険な鞍上は誰だ！？
まずはコース攻略の鍵を握るジョッキーから。このコースで本当に頼れる「神騎乗」を見せるのは誰なのか、そして買うと損をする騎手は誰なのかを、ランキング形式でご紹介します！
※データから福永祐一元騎手、藤岡康太騎手、藤田菜七子騎手は除外しています。
買うべき騎手！信頼度と妙味を兼ね備えた鞍上BEST5
- 高杉 吏麒 騎手
複勝率57.1%！さらに単勝回収率1587、複勝回収率480という、もはや説明不要の驚異的な数字。騎乗機会は少ないですが、もしこのコースで彼の名前を見つけたら、問答無用で馬券の中心に据えるべき「神」です。 - 角田 大和 騎手
複勝率28.3%、単勝回収率294、複勝回収率134と、安定感・爆発力・妙味の三拍子が揃ったトップジョッキー。減量騎手と侮っていると痛い目を見ます。 - 藤岡 佑介 騎手
複勝率42.1%という抜群の安定感に加え、単勝回収率137、複勝回収率111と、馬券的な妙味も十分。上位人気から穴馬まで、安心して軸を任せられます。 - 池添 謙一 騎手
こちらも複勝率41.7%、複勝回収率119と非常に優秀。勝負強い騎乗で、人気薄の馬を馬券圏内に持ってきます。 - 武 豊 騎手
複勝率57.1%は高杉騎手と並びトップ。人気馬に騎乗することが多いですが、それをきっちり勝ち負けに導く手腕はさすがの一言です。
危険な騎手！？評価を下げたいジョッキーBEST5
- 和田 竜二 騎手
複勝率17.9%、複勝回収率38と、全ての数字がワーストクラス。騎乗数は多いですが、このコースでは全く力を発揮できていません。 - 菱田 裕二 騎手
こちらも複勝率17.1%、複勝回収率57と低迷。人気薄での激走も期待薄です。 - ルメール 騎手
世界のトップジョッキーですが、このコースに限っては複勝率38.5%ながら回収率が低く、人気に対してのリターンが見合っていません。 - 岩田 望来 騎手
複勝率28.2%は悪くないですが、複勝回収率68は物足りません。人気先行で妙味がないタイプです。 - 幸 英明 騎手
騎乗数は最多ですが、複勝回収率65と、こちらも人気ほどの信頼度はありません。
一発注意！穴党必見のジョッキーBEST3
- 吉田 隼人 騎手
複勝率は25.5%ですが、単勝回収率132は非常に魅力的。人気薄で勝ち切るパンチ力を秘めています。 - 富田 暁 騎手
複勝率29.4%と安定しており、複勝回収率146は特筆もの。3連系のヒモ穴として、これ以上ない存在です。 - 団野 大成 騎手
複勝率は28.3%と健闘しており、複勝回収率も127。こちらもヒモとして妙味たっぷりです。
騎手データまとめ
軸は武豊騎手、川田将雅騎手が鉄板。馬券の妙味を求めるなら高杉吏麒騎手、角田大和騎手、藤岡佑介騎手の3名。和田竜二騎手、菱田裕二騎手はこのコースでは割引が必要です。
人気別
人気別考察
■【人気別データ】波乱は起きるのか？データで斬る馬券戦略！
セオリー通りの決着か、それとも大波乱か。このコースの人気別データを分析します。
人気馬（1～4番人気）は総じて堅実
1番人気の複勝率66.3%はJRA平均を上回り、信頼度は高いです。4番人気も回収率が高く優秀。ただし、2番人気、3番人気は平均より成績が悪く、信頼度にムラがある点には注意が必要です。
中穴（5～8番人気）も侮れない
6番人気（単勝回収率114）、7番人気（複勝回収率93）と、中穴馬が馬券に絡むケースが多発します。人気上位馬に不安がある場合は、積極的にこちらから狙うのも面白い戦略です。
大穴（9番人気～）は軽視でOK
9番人気以下は基本的に厳しいですが、16番人気が単勝回収率589という異常値を記録しており、ごく稀に超特大ホームランが飛び出す可能性を秘めています。
人気データまとめ
1番人気、4番人気が信頼の中心。相手には6番、7番人気の中穴勢を絡めるのが高配当への近道です。
クラス別
クラス別考察
■【クラス別】荒れるのはどのクラス？波乱度を分析！
レースの格によって、荒れやすさはどう変わるのでしょうか？
堅いレースと荒れるレース
2勝クラス、3勝クラス、OPEN、GⅢは、軒並み回収率が低く、堅い決着が想定されます。能力差が素直に結果に出るクラスです。一方、未勝利、1勝クラスは、回収率が高く波乱傾向にあります。キャリアの浅い馬同士の戦いでは、展開や適性が結果を大きく左右します。
クラス別データまとめ
下級条件では穴狙い、上級条件では能力の高い馬を素直に評価するという、メリハリの利いた予想が効果的です。
脚質×上がり３F
脚質×上がり３F考察
■【脚質＆上がり3F】このコースの絶対的なセオリーを解き明かす！
巷のウワサは本当か？データがこのコースの「勝ちパターン」を導き出します。
脚質戦略：前も後ろもチャンスあり！
- 逃げ・先行：複勝率、回収率ともにJRA平均を下回っており、巷で言われるほど前残り一辺倒のコースではありません。
- 中団・後方：JRA平均を大幅に上回る好成績。特に中団からの差しは非常に有効な戦法です。
- マクリ：複勝率は低いですが、複勝回収率164は驚異的。道中から動ける馬は、このコースの「ジョーカー」です。
上がり3F分析：究極の末脚が炸裂する舞台！
- 上がり1位：複勝率77.6%！回収率も単490/複219と、全ての上がり順位の中で圧倒的に有利です。
- 上がり2位、3位：こちらも平均を大幅に上回る好成績。
- 上がり6位以下：複勝率3.6%、回収率も壊滅的。速い上がりが使えない馬は、ほぼ馬券になりません。
脚質・上がりデータまとめ
先行力よりも、究極の末脚が求められるコースです。「どの位置からでも、速い上がりを使えるか」が的中の鍵となります。
馬番
馬番考察
■【枠順（馬番）】有利な枠、不利な枠は存在するのか？
枠順の有利不利はあるのでしょうか。
内枠・中枠・外枠の有利不利
- 内枠（1～4番）：平均複勝率 23.5%
- 中枠（5～12番）：平均複勝率 23.3%
- 外枠（13～16番）：平均複勝率 15.8%
データ上は内枠・中枠の成績が良く、外枠に行くにつれて成績が落ちています。特に15番、16番は明確に不利と言えるでしょう。
奇数番 vs 偶数番 / 大外枠の真実
- 奇数番 vs 偶数番：複勝率、回収率ともに奇数番が偶数番を上回っており、奇数番がやや有利です。
- 大外枠：複勝率25.7%は平均（23.6%）を上回り、複勝回収率も90と優秀。15番、16番は不利ですが、大外枠自体は人気薄の激走に注意が必要です。
枠順データまとめ
基本的には内枠～中枠が有利で、15番より外は割引が必要。この傾向は覚えておきましょう。
種牡馬
種牡馬考察
■【血統（種牡馬）編】コースに潜む黄金配合を発見せよ！
このコースを得意とする「神血統」と、苦手な「危険血統」を公開します。
買うべき種牡馬！好相性ランキングBEST5
- リアルスティール
複勝率50.0%、単勝回収率295、複勝回収率170と、三拍子揃ったこのコースの「絶対王者」。見つけたら逆らってはいけません。 - エイシンフラッシュ
複勝率27.3%ながら、単勝回収率497、複勝回収率159と、驚異的な爆発力を秘めています。 - ヘニーヒューズ
複勝率34.9%、回収率も126/135と非常に優秀。安定感と妙味を両立しています。 - ジャスタウェイ
こちらも単勝回収率160と、人気薄で勝ち切る力があります。 - キズナ
複勝率36.4%はトップクラスの安定感。軸馬として信頼できます。
危険な種牡馬！？評価を下げたいワースト5
- ルーラーシップ
複勝率14.1%、回収率も10/88と大不振。人気でも疑ってかかるべき筆頭です。 - ディープインパクト
複勝率18.4%、回収率43/36と、世界の血統王もこのコースでは苦戦しています。 - ロードカナロア
こちらも複勝率21.6%、回収率も低く、産駒の活躍は目立ちません。 - オルフェーヴル
複勝率は悪くないですが、回収率が低く、人気を裏切りやすいタイプです。 - ハーツクライ
複勝率25.0%は物足りず、回収率も平凡です。
一発注意！穴党必見の妙味血統BEST3
- ゴールドシップ
複勝率は16.7%と低いですが、単勝回収率160は魅力的。スタミナが問われるこのコースで一発を狙います。 - エピファネイア
こちらも複勝率は低いですが、複勝回収率142。ヒモ穴として非常に優秀です。 - シニスターミニスター
複勝回収率128。こちらもヒモとして妙味たっぷりです。
血統データまとめ
リアルスティールが絶対的な中心。これにヘニーヒューズ、キズナが続きます。ルーラーシップ、ディープインパクト産駒は割引が必要です。
前走距離
前走距離考察
■【ローテーション編】勝利への最短ルートはどの臨戦過程か？
最後に、どのようなローテーションで臨んでくる馬が狙い目かを分析します。
距離変化：「同距離」の信頼度が最も高い
同距離（前走1900m）組が、複勝率・回収率ともに最も安定しています。距離延長・短縮は、いずれも同距離組より成績が劣ります。
前走コース
前走コース考察
前走コース：関西圏からの臨戦が王道！
- 【鉄板】同コース（中京ダ1900m）：複勝率30.1%、複勝回収率86と、安定感と妙味を両立した王道ローテ。
- 【妙味】小倉・ダ1700m：複勝回収率118！
- 【妙味】京都・ダ1900m：単勝回収率182！
- 【妙味】東京・ダ1600m：単勝回収率128！
- 【注目】小倉・芝1800m：出走数は少ないですが、単勝回収率2605は驚異的。芝からの転戦組は要注意です。
- 【危険】阪神・ダ2000m：複勝率23.1%、単勝回収率26と不振。
- 【危険】新潟・ダ1800m：こちらも複勝率19.4%と低迷しています。
ローテーションデータまとめ
「前走も同じ1900mを使われていること」が基本。その中でも、小倉・京都といった、同じ関西圏のコースで好走してきた馬が狙い目です。
