2026年【小倉大賞典 回顧】息の入らない究極の地力勝負!タガノデュードの豪脚とケイアイセナの逃走劇を徹底分析

レース回顧

レース結果

着順馬番馬名性別年齢斤量騎手タイム着差通過順位上り3F人気単勝オッズ馬体重(増減)
116タガノデュード555古川吉洋1.45.214-14-11-734.147.4498 (-6)
210ケイアイセナ757藤岡佑介1.45.3クビ1-1-1-135.215.5480 (-2)
34ショウナンアデイブ755丸山元気1.45.51 1/27-7-9-734.61022.3518 (-8)
49ナムラエイハブ556吉田隼人1.45.52-2-2-235.159.7516 (-8)
57シルトホルン657石田拓郎1.45.81 3/410-10-11-1134.71123.2484 (-4)
615リカンカブール757浜中俊1.45.91/25-5-4-435.3921.4486 (+2)
713ガイアメンテ555北村友一1.45.9クビ16-16-14-1134.5810.6496 (-4)
83エアファンディタ957亀田温心1.45.915-15-16-1534.314101.3454 (-4)
96パレハ554鮫島克駿1.46.0クビ6-5-4-435.4610.0440 (0)
108ラケマーダ656丹内祐次1.46.21 1/410-10-9-1135.31346.4510 (-2)
1111エピファニー758.5杉原誠人1.46.33/47-7-7-735.51242.0508 (+8)
1214エラトー553斎藤新1.46.51 1/23-3-4-436.036.1490 (0)
132ビーアストニッシド755西村太一1.46.6クビ10-10-11-1435.515126.5484 (+6)
1412センツブラッド456団野大成1.46.81 1/47-7-7-736.125.5464 (+2)
151マテンロウオリオン756横山典弘1.47.543-3-2-237.2710.6492 (0)
165ヘリオス1056菊沢一樹1.48.2413-13-14-1536.816192.2470 (+4)

払戻金

券種組番払戻金人気
単勝16740円4
複勝16 / 10 / 4270円 / 250円 / 470円4 / 1 / 10
枠連5-81,100円4
馬連10-162,270円5
ワイド10-16 / 04-16 / 04-101,000円 / 2,100円 / 1,460円6 / 31 / 17
馬単16-105,730円15
3連複04-10-1613,230円45
3連単16-10-0471,100円240

レース回顧

今年の小倉大賞典、皆様はどのような予想で挑まれましたでしょうか?終わってみれば、4番人気のタガノデュードが後方からの見事なまくり差しを決めて優勝。2着には逃げ粘った1番人気のケイアイセナ、そして3着にはなんと10番人気の伏兵ショウナンアデイブが突っ込み、波乱を含んだ非常に見応えのある決着となりました。

今回のレースは、単なる「前残り」や「差し有利」といった言葉では片付けられない、**「真のポテンシャルとペース配分」**が如実に問われる一戦でした。ごまかしが一切効かない過酷な展開の中で、なぜタガノデュードは突き抜けることができたのか?なぜ上位人気馬たちは直線で失速してしまったのか?

今回は、詳細なレースラップ、PCI(ペースチェンジインデックス)、そして各馬の追い切りデータなどを基に、小倉大賞典の裏側で起きていた真実を5つのポイントに分けて徹底的に深掘り解説していきます!

① 息つく暇もない激流!シビアな「レースラップ」を解剖する

まずは、レースの骨格となるラップタイムから見ていきましょう。今回の小倉大賞典がどれほどタフなレースだったかは、この数字を見れば一目瞭然です。

【小倉大賞典 ラップタイム(1800m)】 12.2 – 11.4 – 11.8 – 11.3 – 11.9 – 11.5 – 11.4 – 11.7 – 12.0

レースを主導したのは、1番人気の10番ケイアイセナ。スタートから迷いなくハナ(先頭)を奪いに行きました。最初の1Fこそ12.2秒でしたが、そこからペースは全く落ちません。1000mの通過タイムは**「58.6秒」**。小倉の1800m戦としては、平均からやや速めの一貫したペースで引っ張られました。

特筆すべきは道中のラップの刻み方です。通常の中距離戦であれば、向正面あたりで12秒台中盤までラップが落ち込み、各馬が息を入れる(リラックスして走る)区間が存在します。しかし今回は、2ハロン目以降、ゴールまで延々と「11秒台(最後のみ12.0秒)」が連続しています。

ペースが極端に緩む区間が1メートルもない。これは追走する馬たちにとって、常に高い心肺機能とスピードの持続力を要求される、非常に厳しいサバイバルレースであったことを意味しています。

② PCIが証明する「完全なるイーブンペース」と地力勝負

次に、レースの質をより客観的に判断するために「PCI(ペースチェンジインデックス)」というデータを用いて分析してみましょう。PCIは、前半と後半のペースのバランスを示す数値で、50を基準に低ければ「前傾ラップ(ハイペース)」、高ければ「後傾ラップ(スローペース)」を示します。

今回の小倉大賞典のレースPCIは、驚くべきことに**「49.9」**でした。

前半4Fが「46.7秒」、上がり4Fが「46.6秒」。つまり、前半と後半のタイムが全く同じ**「完全なイーブンペース」**だったのです。 イーブンペースのレースというのは、展開のアヤやごまかしが一切効きません。純粋な「持続力」と「地力」だけが問われます。中途半端なスタミナしか持たない馬や、道中で少しでも無理(力み)をしてしまった馬は、最後の直線で確実に脚が止まるという、残酷なまでの能力検定試験となりました。

③ レース展開:逃げる本命馬と、虎視眈々と狙う後方の伏兵

この息の入らないイーブンペースを踏まえて、道中の位置取りとレース展開を紐解いていきます。

【序盤〜道中:先行集団の形成とプレッシャー】 ケイアイセナ(1-1-1-1)が逃げる後ろで、2番手には9番ナムラエイハブ(2-2-2-2)がピタリとマークにつきました。その直後には、1番マテンロウオリオンや、3番人気で14番のエラトーが好位を追走。さらに15番リカンカブール、6番パレハも前を射程圏に入れる強気のポジションを取ります。 中団の7番手付近には、2番人気12番センツブラッドや11番エピファニー、そしてのちに波乱を演出する4番ショウナンアデイブらが集団を形成していました。 一方、勝った16番タガノデュードは、この激しい先行争いには一切加わらず、14番手の後方でじっと息を潜めていました。

【勝負所〜直線:一気のまくりとサバイバル】 レース後半も11.5 – 11.4 – 11.7と厳しいラップが続く中、3コーナーから4コーナーにかけてレースが大きく動きます。後方にいたタガノデュードが、外を回って一気にポジションを押し上げてきたのです。14番手から11番手、そして4コーナーでは7番手まで進出するアグレッシブな立ち回りを見せます。 最後の直線。道中よどみないペースで逃げたケイアイセナと、それをマークし続けたナムラエイハブの追い比べになります。好位〜中団から追走した人気馬(エラトー、センツブラッド等)は、この過酷なペースに耐えきれず次々と脱落。 そこへ、外からタガノデュードが襲い掛かり、インからはショウナンアデイブがスルスルと抜け出してくるという、まさに「残るか、差すか」の白熱した攻防となりました。

④ レース徹底回顧:明暗を分けた「自身のPCI」と事前のデータ

ここからは、上位馬の勝因と人気馬の敗因を、各馬の「自身のPCI」や調教タイム、血統データから徹底的に回顧します。

■ 1着 タガノデュード(4番人気):自分のペースを守り抜いた極上の末脚 【自身のPCI:54.3 / 上がり3F:34.1秒(最速)】 見事なまくり差しでした。勝因は、レース全体が過酷なイーブンペース(PCI 49.9)で流れる中、前のハイペースに付き合わず、道中14番手で自身のペースを「PCI 54.3(後傾ラップ)」に保ち、しっかりと脚を溜め切ったことに尽きます。直前の水曜追い切りで「坂路ラスト1F 12.1秒」と抜群のキレを見せていた状態の良さが、メンバー最速34.1秒の豪脚となって爆発しました。展開の厳しさを完璧に味方につけた会心の勝利です。

■ 2着 ケイアイセナ(1番人気):負けてなお強し、驚異の心肺機能 【自身のPCI:49.6 / 上がり3F:35.2秒】 敗れはしたものの、この馬の「絶対的な能力の高さ」が最も際立ったレースでした。自身で58.6秒のタイトなペースを作り出し、息を入れることなく逃げながら、上がりを35.2秒でまとめて2着に粘り込むのは至難の業です。直前の追い切りで「坂路 50.8 – 37.2 – 24.2 – 12.0」という猛烈なタイムを出していましたが、その絶好調な状態が、この過酷な逃げ粘りを可能にしたと言えます。

■ 3着 ショウナンアデイブ(10番人気):穴データ合致とロスのない立ち回り 【自身のPCI:52.5】 前走18番人気からの大激走で波乱を演出しました。勝ったタガノデュードと同様、中団のインでじっと我慢し、自身のペースを「PCI 52.5」の後傾に保ったことが最大の勝因です。事前データでも「高野友和厩舎の複勝回収値175」「母父Mineshaftの複勝回収値380」という強力な穴データが存在しており、それがこの過酷なサバイバル戦で見事にハマる結果となりました。

■ 4着 ナムラエイハブ(5番人気):厳しい展開を前で受けた地力 【自身のPCI:50.3】 逃げるケイアイセナを徹底マークし、自身もPCI 50.3という息の入らないペースを刻みました。最後はわずかにアタマ差交わされて馬券圏内を逃しましたが、この厳しい展開を前で受け止めて粘り通したポテンシャルは、次走以降に向けて高く評価すべき内容です。

■ 敗因分析:前傾ペースの罠にハマった人気馬たち ・12着 エラトー(3番人気):好位3番手を追走しましたが、自身のPCIが「47.9」と明確な前傾ペース(前半に無理をした状態)となってしまい、直線で失速(上がり36.0秒)。 ・14着 センツブラッド(2番人気):中団からの競馬でしたが、こちらも自身のPCIが「47.9」。道中の追走だけで体力を完全に消耗し切ってしまったことが、大敗の明白な理由です。

⑤ まとめ&次走注目馬・評価保留馬

総括すると、今回の小倉大賞典は、ケイアイセナが作り出した淀みないイーブンペースにより、**「先行してそのまま粘り切れる絶対的な能力を持った馬(ケイアイセナ、ナムラエイハブ)」と、「前の争いには加わらず、後方で自身の脚を溜め切った馬(タガノデュード、ショウナンアデイブ)」**に明暗がくっきりと分かれるレースでした。中途半端に前を追いかけて体力を消耗した馬には、非常に残酷な展開でした。

最後に、このレース結果を踏まえた次走への評価をまとめます。

【次走注目馬(S評価:どんな展開でも崩れない中心馬)】

  • ケイアイセナ (2着) あれだけ厳しいペースで逃げて、上がりもまとめて連対するスタミナと心肺機能は重賞クラスでも上位です。次走、単騎逃げが見込めるメンバー構成や、少しでも息の入るペースになれば、あっさりと押し切る可能性が極めて高いです。次走も逆らえません。

【次走注目馬(A評価:展開不問で堅実)】

  • ナムラエイハブ (4着) 今回、最もタフな競馬(逃げ馬をピッタリマークする競馬)をして4着に粘った地力は本物です。着順以上に評価すべき内容であり、次走で人気が落ちるようなら絶好の狙い目となります。

【評価保留(次走は危険な人気馬になる可能性)】

  • タガノデュード (1着)
  • ショウナンアデイブ (3着) 今回は「前が止まる過酷なイーブンペース」という展開が、後方で脚を溜めたこの2頭に100%味方しました。次走、スローペースの瞬発力勝負(上がりだけの競馬)になった場合、同じような末脚が不発に終わるリスクがあります。展開待ちの要素が強いため、次走の人気次第では疑ってかかる必要があります。

【次走見直し(ペース違いで一変)】

  • エラトー (12着)
  • センツブラッド (14着) 今回はただ単に「オーバーペースで体力が尽きた」だけです。決して能力が足りないわけではありません。次走、前半のペースが緩む条件(距離短縮や、逃げ馬不在のレース)に出走してくれば、ガラッとパフォーマンスを変えてくるはずです。大敗で人気を落とす次走こそ、馬券的な妙味が発生します。

以上、小倉大賞典の徹底回顧でした!競馬はペースと位置取り一つで結果が大きく変わる面白いスポーツです。次回の重賞回顧もお楽しみに!

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