2026年【ダイヤモンドS 回顧】極限のロングスパート戦!ルメールの神騎乗とスティンガーグラスの横綱相撲を徹底分析

レース回顧

レース結果

着順馬番馬名性齢斤量騎手タイム着差通過順上り3F人気単勝オッズ馬体重増減
113スティンガーグラス牡557.5ルメール3.32.06-4-2-134.813.0484+10
23ファイアンクランツ牡454大野拓弥3.32.21 1/49-10-10-834.437.8470+10
31ブレイヴロッカーセ656.5荻野極3.32.51 3/46-7-7-634.91130.1450-10
42ヴェルテンベルク牡655キング3.32.63/411-12-13-1234.448.0486+4
512ホーエリート牝556.5戸崎圭太3.32.6クビ5-4-5-635.026.0486+10
66レッドバリエンテ牡756.5西村淳也3.32.818-7-5-335.4813.8496+4
714マイネルカンパーナ牡656.5津村明秀3.32.8クビ2-2-3-535.3510.3422+8
810ヴォランテ牡656吉村誠之3:33.01 1/413-12-12-1234.9712.5462+8
915ボーンディスウェイ牡757木幡巧也3:33.13/411-10-10-935.21023.9502+6
1011ローザサンリヴァル牡553石川裕紀3:33.313-4-3-335.9916.2510+2
119シルブロン牡856三浦皇成3:33.4クビ13-14-14-1235.21378.2512+8
127サスツルギセ654野中悠太3:33.415-15-14-1535.115222.0490+6
134ミクソロジーセ756菅原明良3:34.889-9-7-936.91272.24300
145トータルクラリティセ454原優介3:35.543-3-9-937.514170.0472-10
158ファウストラーゼン牡456横山和生3:35.71 1/21-1-1-238.5612.0462+2

払戻金

券種組番払戻金人気
単勝13¥3001
複勝13 / 3 / 1¥150 / ¥270 / ¥5601 / 3 / 11
枠連2-7¥5301
馬連03-13¥1,7604
ワイド03-13 / 01-13 / 01-03¥650 / ¥1,610 / ¥3,2203 / 20 / 45
馬単13-03¥2,8605
3連複01-03-13¥14,50055
3連単13-03-01¥43,570118

レース回顧

年に一度の「マラソンレース」、芝3400mを舞台に争われるダイヤモンドステークス。皆様の馬券の調子はいかがでしたでしょうか? 終わってみれば、1番人気のスティンガーグラスとルメール騎手のコンビが圧倒的なパフォーマンスを見せつける結果となりましたが、3着には11番人気のブレイヴロッカーが飛び込み、3連単は4万馬券という一筋縄ではいかない決着となりました。

長距離戦は「騎手の腕」と「馬の折り合い」が如実に表れる舞台です。単なるスタミナ比べではなく、緻密なペース配分と仕掛けのタイミングが明暗を分けました。今回は、詳細なラップタイムや各馬の通過順位、上がり3Fのデータを基に、このダイヤモンドSで一体何が起きていたのか、そして次走で狙える馬はどの馬なのかを、5つのポイントに分けて徹底的に深掘り解説していきます!

① 【レースラップ解説】中盤の「お散歩」と後半の「スプリント戦」

まずは、レースの骨格となるラップタイムから見ていきましょう。3400mという特殊な舞台で、どのようなペースが刻まれたのでしょうか。

【ダイヤモンドS ラップタイム(3400m)】 12.7 – 11.5 – 12.8 – 13.5 – 12.9 – 12.7 – 13.1 – 13.5 – 13.7 – 12.8 – 12.1 – 12.3 – 11.8 – 11.8 – 11.4 – 11.5 – 11.9

このラップの異常性にお気付きでしょうか。前半の3Fこそ37.0秒(12.7 – 11.5 – 12.8)とまずまずの入りでしたが、そこからの道中が極端に緩みました。4ハロン目から9ハロン目にかけて、なんと**「13.5 – 12.9 – 12.7 – 13.1 – 13.5 – 13.7」**と、13秒台のラップが6区間も連続しているのです。これはもはや「お散歩」と言っても過言ではない、超・ドローペースです。

しかし、レースは残り1200m(6F)から一変します。12.3秒から一気に11秒台へとペースが跳ね上がり、**上がり5Fは「11.8 – 11.8 – 11.4 – 11.5 – 11.9」**という、長距離戦とは思えないスプリント戦のようなタイムが記録されました。

つまり今回のダイヤモンドSは、前半〜中盤で徹底的にスタミナを温存し、後半1000m(5F)を持続して11秒台で走り切るという、**「極限のロングスパート合戦(瞬発力・持続力勝負)」**だったのです。

② 【ペース分析】PCIが示す「極端な後傾ラップ」の真実

次に、「PCI(ペースチェンジインデックス)」の概念を用いて、このレースの性質を客観的に分析してみましょう。PCIは前半と後半のペースバランスを示す数値で、50を基準に高ければ「後傾ラップ(スローペース)」、低ければ「前傾ラップ(ハイペース)」を示します。

今回のダイヤモンドSは、前半が極端に遅く、後半が極端に速い**「超・後傾ラップ」**であったことは疑いようがありません。

通常、長距離戦で道中がスローになれば「前に行った馬が有利(前残り)」になるのがセオリーです。しかし、今回は上がりのペースが「速すぎ」ました。後半1000mを延々と11秒台で走らされる展開は、逃げ・先行馬にとって逆に過酷です。スピードの絶対値や、長くいい脚を使える持続力がない先行馬は、この急激なペースアップについていけずに脱落していくことになります。

この「極端な上がり勝負」という特殊な後傾ラップが、今回のレースの明暗をくっきりと分ける要因となりました。

③ 【レース展開】完璧な立ち回りの王者と、罠にハマった先行勢

この特殊なラップとペースを踏まえて、道中の位置取りとレース展開を紐解いていきましょう。

【序盤〜中盤:息の入る隊列形成】 レースは、8番ファウストラーゼンがハナを切り(通過順位1-1-1-2)、それに14番マイネルカンパーナ、11番ローザサンリヴァル、5番トータルクラリティなどが続く形で始まりました。

前述の通り、13秒台が連続するゆったりとしたペースの中、各馬がしっかりと折り合いをつけてスタミナを温存する、長距離特有の静かな道中となりました。 1番人気の13番スティンガーグラスは、中団前目の6番手(6-4-2-1)という絶好位を確保。一方、3番人気のファイアンクランツは後方(9-10-10-8)でじっと脚を溜める作戦に出ます。

【勝負どころ〜直線:ルメールの絶妙なスパート】 レースが大きく動いたのは残り1200m付近。ペースアップの波を感じ取ったルメール騎手(スティンガーグラス)が動きます。6番手から4番手、そして最終コーナーに向けて2番手へと、まるでエンジンを吹かすようにスムーズにポジションを押し上げていきました。

この「残り1000mからの11秒台連発」という過酷なスパート合戦に、逃げていたファウストラーゼンや先行していたトータルクラリティはついていけず、ズルズルと後退していきます。 直線に向くと、早めに先頭に立ったスティンガーグラスが後続を突き放しにかかります。そこに、道中後方で脚を溜めていたファイアンクランツや、中団のインでロスなく立ち回ったブレイヴロッカーが襲い掛かるという、白熱の攻防となりました。

④ 【レース徹底回顧】スティンガーグラスの絶対能力と穴馬の激走

ここからは各馬のパフォーマンスを詳細に回顧します。

■ 1着 スティンガーグラス(1番人気):名手と名馬の「横綱相撲」 今回の最大のハイライトは、スティンガーグラスとルメール騎手の完璧なレース運びです。道中スローペースの中団前目で折り合い、勝負どころのペースアップに合わせて自ら動いて先頭に立つ。言葉にすれば簡単ですが、あの過酷な11秒台のロングスパートを自ら先導し、上がり3Fを「34.8秒」でまとめて後続を寄せ付けない芸当は、圧倒的なスタミナと持続力がなければ不可能です。まさに王者の風格漂う、完勝劇でした。春の天皇賞に向けて、視界は良好と言えるでしょう。

2着 ファイアンクランツ(3番人気):展開を読んだ鋭い末脚 道中は後方でじっくりと脚を溜め、直線勝負に賭けた作戦が見事にハマりました。メンバー最速タイとなる上がり3F「34.4秒」の末脚は本物で、先行勢をゴボウ抜きにした脚力は高く評価できます。今回は勝った馬が強すぎましたが、この馬自身も長距離適性と高いポテンシャルを証明しました。

■ 3着 ブレイヴロッカー(11番人気):波乱を演出したロスのない立ち回り 11番人気という低評価を覆す見事な激走でした。「6-7-7-6」という通過順位が示す通り、終始中団のインコースで距離ロスなく立ち回れたことが最大の勝因です。直線でも上がり3F34.9秒の脚を使ってしぶとく粘り込みました。騎手のコース取りと、スローペースの恩恵を最大限に活かした好走と言えます。

■ 4着 ヴェルテンベルク:負けて強しの内容 馬券圏内には届きませんでしたが、ファイアンクランツと同じ上がり最速タイ「34.4秒」をマークして4着まで追い上げてきました。展開さえ向けば、重賞でも十分に通用する地力を見せています。

■ 敗れた先行勢(ファウストラーゼン、トータルクラリティ等) 逃げて最下位(15着)に沈んだファウストラーゼンや、3番手追走から14着に大敗したトータルクラリティなど、先行勢の多くは壊滅しました。これは前述の通り、「後半1000mの11秒台ロングスパート」という極限のスピード・持続力勝負に対応できなかったためです。決してスタミナが切れたわけではなく、適性の差が出た敗戦と言えます。

⑤ 【まとめ&次走注目馬・評価保留馬】

総括すると、今回のダイヤモンドSは**「道中の極端なスローペースから、後半1000mの過酷なロングスパート勝負となり、自ら動いてその激流をねじ伏せたスティンガーグラスの絶対的な能力の高さが際立ったレース」**でした。

最後に、このレース結果を踏まえた次走への評価をまとめます。

【次走注目馬(S評価:長距離路線の主役)】

  • スティンガーグラス (1着) 折り合い、スタミナ、持続力、スピード、全てにおいて非の打ち所がありません。天皇賞(春)でも間違いなく中心視されるべき存在です。ルメール騎手が継続騎乗なら、さらに信頼度は跳ね上がります。

【次走注目馬(A評価:展開次第で重賞奪取も)】

  • ファイアンクランツ (2着)
  • ヴェルテンベルク (4着) 極限の上がり勝負の中で、最速の末脚(34.4秒)を繰り出したこの2頭の脚力は本物です。今回のような極端な展開にならずとも、確実に終いは伸びてくるため、長距離〜中長距離の重賞で常にマークが必要です。

【評価保留(次走は危険な人気馬になる可能性)】

  • ブレイヴロッカー (3着) 今回は「ロスのないインベタの立ち回り」と「極端なスローペース」という、この馬にとって完璧な条件が揃いすぎた感があります。次走、今回の3着という着順だけで人気を集めるようであれば、展開次第であっさり凡走するリスクを考慮すべきです。

【次走見直し(距離短縮・ペース違いで一変)】

  • トータルクラリティ (14着) ほか先行勢 今回は後半の異常な上がり勝負に泣いただけです。もっと全体時計が流れる平均ペースのレースや、2000m〜2400mあたりへの距離短縮であれば、先行力が活きて一変する可能性を秘めています。大敗で人気が落ちる次走こそ、馬券的な妙味があるでしょう。

以上、ダイヤモンドステークスの徹底回顧でした!次回の重賞予想・回顧もお楽しみに!

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