2026年 東京新聞杯(G3)徹底回顧:極限の瞬発力と持続力が交差したマイル決戦

レース回顧

東京新聞杯(G3) レース結果

2026年2月8日 東京競馬場 芝1600m

着順馬番馬名性齢斤量騎手タイム着差通過順上り3F人気オッズ体重(増減)
17トロヴァトーレ牡558ルメール1:32.210-933.125.6510 (0)
22ラヴァンダ牝556岩田望来1:32.3クビ9-933.347.5498 (+6)
312ウォーターリヒト牡558高杉吏麒1:32.3クビ10-933.235.8474 (+2)
41シャンパンカラー牡659岩田康誠1:32.314-1432.8924.3516 (+6)
53シリウスコルト牡558三浦皇成1:32.44-433.71331.2508 (+2)
614ミッキーゴージャス牝655横山典弘1:32.53/44-433.91228.8456 (0)
715ウンブライル牝655戸崎圭太1:32.5ハナ13-1233.21125.8482 (-4)
811レッドモンレーヴ牡758佐々木大1:32.5ハナ14-1432.91025.0518 (+8)
99サクラトゥジュールセ957キング1:32.5ハナ12-1233.21432.8514 (+6)
106オフトレイル牡559菅原明良1:32.63/47-733.869.9466 (+6)
1110エンペラーズソードセ457原優介1:32.91 1/23-234.558.5500 (+4)
124マジックサンズ牡457武豊1:32.916-1633.0710.9524 (0)
135エルトンバローズ牡658津村明秀1:33.01/27-734.215.4518 (+4)
1413メイショウチタン牡957吉田豊1:33.01-134.81597.1482 (+6)
1516ブエナオンダ牡558横山武史1:33.0クビ2-234.6823.2458 (+2)
168ヤマニンサルバム牡757小崎綾也1:33.13/44-434.51699.0504 (+2)

2026年2月8日 東京11R 東京新聞杯(G3)の配当金一覧。

券種馬番配当金人気
単勝7560円2
複勝7200円2
2230円4
12190円3
枠連1-42,220円11
馬連2-72,410円6
ワイド2-7950円7
7-12760円3
2-12880円6
馬単7→24,540円9
3連複2-7-124,380円2
3連単7→2→1223,720円14

2026年2月8日、東京競馬場。春の息吹を感じさせる快晴のもと、第76回東京新聞杯(芝1600m)が開催されました。安田記念やヴィクトリアマイルを見据える実力馬たちが集ったこのレースは、勝ち時計1分32秒2という好タイム、そして1着から4着までが0.1秒差という、歴史に残る大激戦となりました。

1. ラップタイムが語る「究極の持続力勝負」

今回の東京新聞杯を象徴するのは、逃げたメイショウチタンが刻んだ淀みのないラップ構成です。

【ラップ構成】 12.3 - 11.0 - 11.4 - 11.6 - 11.9 - 11.4 - 11.3 - 11.3 (前半3F 34.7 / 1000m通過 58.2 / 上がり3F 34.0)

このラップから読み取れる重要なポイントは、**「一度も12秒台に落ちていない(スタート以外)」**という点です。通常、東京マイルは向こう正面で一旦緩む(12秒台後半が入る)ことが多いのですが、今回はメイショウチタンが平均ペースで引っ張り続けました。

さらに驚異的なのは、ラスト3ハロンの推移です。11.4 - 11.3 - 11.3 と、ゴールに向かって加速し続ける**「加速ラップ」**で終わっています。これは、先行勢には息の入らないスタミナを、後方勢には「止まらない前をさらに速い脚で捉える」という物理的な限界を要求する、極めてタフな展開でした。

2. 覇者・トロヴァトーレ:C.ルメールが示した「勝利への方程式」

このハイレベルな戦いを制したのは、事前分析で総合1位に支持された7番トロヴァトーレでした。

完璧な位置取りと判断

トロヴァトーレの勝因は、鞍上のC.ルメール騎手による「届く位置」の確保に集約されます。後方のレッドモンレーヴやシャンパンカラーが最後方付近で待機する中、ルメール騎手は中団後方(9-10番手)のポジションを死守しました。

持続的な末脚

直線では馬場の真ん中から堂々と抜け出し、上がり3F 33.1秒というメンバー2位の末脚を繰り出しました。単なる「一瞬のキレ」ではなく、残り600mからゴールまで11秒台前半を維持し続ける「持続力」が、接戦を制する決め手となりました。

3. 2着・3着馬の明暗:経済コース vs 大外強襲

2着のラヴァンダと3着のウォーターリヒト。タイム差なし(クビ+クビ差)の激闘を分けたのは、コース取りの「アヤ」でした。

2着:ラヴァンダ(岩田望来騎手のイン突き)

4番人気のラヴァンダは、岩田望来騎手による見事な「最短距離の追求」が好走を支えました。各馬が外へ広がる直線、ガラ空きの内ラチ沿い(経済コース)を選択。距離ロスを最小限に抑えたことで、上がり33.3秒の脚を最大限に効率化し、あわや優勝という場面を作りました。血統面での懸念を跳ね返す、人馬一体の好騎乗でした。

3着:ウォーターリヒト(大外の豪脚)

一方で、激走となったウォーターリヒトは、勝ち馬よりも外、最も距離ロスの大きい「大外」を通って猛追しました。上がり3Fは33.2秒。物理的な走行距離を考えれば、勝ち馬と並ぶ、あるいはそれ以上のパフォーマンスを見せていたと言えます。穴データとして注目されていた「母父ヴィクトワールピサ」の東京適性が爆発した結果です。

4. 届かなかった「32秒台の豪脚」たちの悲劇

このレースのもう一つの側面は、**「32秒台の上がりを使っても掲示板を確保するのが精一杯だった」**という事実にあります。

  • 4着:シャンパンカラー(上がり最速 32.8秒) 59kgの酷量を背負い、最後方から全馬をごぼう抜きにする勢いで追い込みましたが、勝ち馬には「アタマ差」届きませんでした。
  • 8着:レッドモンレーヴ(上がり 32.9秒) こちらも32秒台の脚を使いましたが、位置取りが14番手では、今回のような前が止まらない展開では物理的に捕らえきれませんでした。

ここから得られる教訓は、**「現代の東京高速馬場では、上がり最速を出すことよりも、33秒台前半の脚を使える位置にいることの方が重要である」**という点です。

5. データの整合性と次走への展望

今回の東京新聞杯は、データ分析の面でも多くの示唆を与えてくれました。

  1. 総合力の勝利: 最終的には調教・実績・騎手の三拍子が揃ったトロヴァトーレが勝利し、データの精度が証明されました。
  2. 穴馬の抽出: ウォーターリヒトのように、総合点では低くとも「血統」「コース適性」といった特化データで拾える穴馬の重要性が浮き彫りになりました。
  3. 4歳馬の苦戦: 人気の一角だったマジックサンズが11着に沈んだことで、古馬重賞におけるキャリアと経験の差が浮き彫りとなりました。

次走注目馬

  • シャンパンカラー: 今回の敗因は斤量と位置取り。59kgであの脚を使えるのはG1馬の証明。斤量が減る次走は必勝態勢か。
  • シリウスコルト: 13番人気ながら5着に食い込み、上がり33.7秒。マイルへの適性を新たに見せ、今後の穴馬として注目です。

結論:2026年マイル路線の主役たち

2026年の東京新聞杯は、時計、展開、そして各馬のパフォーマンスのすべてにおいて、近年稀に見るハイレベルな一戦でした。「王道」を歩んだトロヴァトーレの完勝、そして惜しくも敗れた豪脚たちの次戦に、ファンの期待は高まるばかりです。

府中の長い直線で繰り広げられたこの0.1秒差のドラマは、春の安田記念へと繋がる重要な序章となったことは間違いありません。

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