デイリー杯クイーンカップ(G3)の結果表
| 着順 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 上り3F | 人気 | オッズ | 馬体重 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 1 | ドリームコア | 牝3 | 55 | ルメール | 1.32.6 | 33.8 | 2 | 3.4 | 502(+8) | |
| 2 | 2 | ジッピーチューン | 牝3 | 55 | 北村友一 | 1.32.9 | 1 1/2 | 33.8 | 11 | 31.0 | 428(-2) |
| 3 | 5 | ヒズマスターピース | 牝3 | 55 | 佐々木大 | 1.33.1 | 1 1/4 | 34.5 | 7 | 17.7 | 500(+12) |
| 4 | 15 | マスターソアラ | 牝3 | 55 | 横山武史 | 1.33.2 | 1/2 | 34.1 | 4 | 10.2 | 482(+4) |
| 5 | 14 | モルニケ | 牝3 | 55 | 田辺裕信 | 1.33.5 | 1 3/4 | 34.1 | 9 | 27.7 | 460(0) |
| 6 | 4 | モートンアイランド | 牝3 | 55 | キング | 1.33.5 | 頭 | 34.0 | 3 | 9.8 | 434(+4) |
| 7 | 3 | マルガ | 牝3 | 55 | 武豊 | 1.33.7 | 1 1/4 | 34.2 | 5 | 13.3 | 470(-8) |
| 8 | 11 | レディーゴール | 牝3 | 55 | 菅原明良 | 1.33.7 | クビ | 33.7 | 13 | 139.8 | 456(+6) |
| 9 | 9 | ギャラボーグ | 牝3 | 55 | 川田将雅 | 1.33.8 | クビ | 34.2 | 1 | 2.5 | 500(0) |
| 10 | 12 | ザバルガド | 牝3 | 55 | 長浜鴻緒 | 1.34.0 | 1 1/4 | 34.1 | 15 | 251.3 | 448(+12) |
| 11 | 8 | ラヴノー | 牝3 | 55 | 石橋脩 | 1.34.1 | 3/4 | 34.8 | 14 | 183.6 | 406(-4) |
| 12 | 16 | タイムレスキス | 牝3 | 55 | 石川裕紀 | 1.34.2 | 1 | 35.5 | 10 | 30.5 | 470(0) |
| 13 | 13 | ゴバド | 牝3 | 55 | 岩田康誠 | 1.34.3 | クビ | 34.4 | 8 | 26.0 | 430(-4) |
| 14 | 10 | ミツカネベネラ | 牝3 | 55 | 津村明秀 | 1.34.5 | 1 1/2 | 34.7 | 12 | 50.4 | 442(-2) |
| 15 | 6 | ニシノサリーナ | 牝3 | 55 | 池添謙一 | 1.34.6 | クビ | 35.6 | 6 | 15.8 | 448(-2) |
| 16 | 7 | フェーダーローター | 牝3 | 55 | 原優介 | 1.34.9 | 2 | 36.1 | 16 | 346.4 | 442(-2) |
デイリー杯クイーンカップ(G3)の全配当
| 券種 | 組番 | 払戻金 | 人気 |
|---|---|---|---|
| 単勝 | 1 | 340円 | 2人気 |
| 複勝 | 1 | 170円 | 2人気 |
| 2 | 640円 | 11人気 | |
| 5 | 460円 | 7人気 | |
| 枠連 | 1-1 | 4,030円 | 14人気 |
| 馬連 | 1-2 | 4,150円 | 15人気 |
| ワイド | 1-2 | 1,340円 | 16人気 |
| 1-5 | 1,000円 | 10人気 | |
| 2-5 | 5,140円 | 48人気 | |
| 馬単 | 1-2 | 5,940円 | 22人気 |
| 3連複 | 1-2-5 | 18,480円 | 66人気 |
| 3連単 | 1-2-5 | 80,850円 | 249人気 |
2026年の牝馬クラシック戦線を占う重要な一戦、デイリー杯クイーンカップ(G3)が幕を閉じました。勝ち時計1分32秒6という非常に優秀なタイムで駆け抜けたのは、2番人気の①ドリームコア。
しかし、このレースを単なる「ルメール騎手の好騎乗」や「内枠有利」だけで片付けてしまっては、次走の馬券検討で大きな見落としをしてしまいます。なぜ11番人気の伏兵が2着に激走し、1番人気の実力馬が9着に沈んだのか?
今回は、レースラップ、PCI(ペースチェンジ指数)、そして血統的側面から、このレースの「真実」を3,000文字のボリュームで徹底解剖します!
① レースラップ解説:逃げ馬が仕掛けた「減速しない罠」
まず、今回のクイーンカップを象徴する**「ラップ構成」**から見ていきましょう。
【ラップ構成】 12.3 - 11.2 - 11.5 - 11.8 - 11.8 - 11.4 - 11.3 - 11.3 (1000m通過:58.6秒 / 勝ち時計:1:32.6)
このラップを分析すると、差し馬を絶望させた「3つのフェーズ」が浮かび上がります。
フェーズ1:淀みのない序盤(1〜3F:35.0秒)
スタート直後の2ハロン目に11.2秒という速いラップが刻まれました。これにより、馬群は一気に縦長になり、各馬が「楽をしてポジションを取る」ことが許されないタフな入りとなりました。
フェーズ2:絶妙な「息入れ」と「維持」(4〜5F:23.6秒)
中盤の4〜5ハロン目で11.8秒と、わずかにペースが落ち着きました。しかし、ここで特筆すべきは「12秒台まで落とさなかった」点です。逃げた⑤ヒズマスターピースが、後続に一気に取り付く隙を与えず、かつ自身のスタミナを温存する絶妙なペースメイクを行いました。
フェーズ3:究極の「加速・持続ラップ」(ラスト3F:34.0秒)
そして最大の見どころが、ラスト3ハロンの11.4 - 11.3 - 11.3です。 後半になるほどラップが速くなる、あるいはトップスピードを極限まで維持する**「加速ラップ(持続ラップ)」**でフィニッシュしています。
【結論】 前の馬がラスト1ハロンを11.3秒という猛スピードで走り続けている状況では、後方の馬が差し切るには「10秒台」という非現実的な末脚を出し続ける必要があります。今回の馬場コンディションにおいて、物理的に**「後ろからは届かないレース」**がこのラップによって完成していました。
② PCIで読み解くレースペースの本質
次に、客観的なペース判定指標である**PCI(ペースチェンジ指数)**を用いて、このレースの質を深掘りします。
レースPCI 53.4の意味
今回の**レースPCIは「53.4」**でした。 一般的に、PCI 50を基準として、数値が高ければ後半が速い(スロー)、低ければ前半が速い(ハイペース)と判定されます。
今回の「53.4」は数値上「ややスロー〜平均ペース」となりますが、1分32秒6という速い時計を考慮すると、その中身は非常に濃いものです。 「前半も58.6秒と十分に速いが、後半はさらに一段上のギア(34.0秒)が要求された」。 つまり、スタミナとスピードの両立、特に**「高速巡航からさらに加速する能力」**が問われたレースだったのです。
- 勝ち馬ドリームコアの凄さ: このPCI 53.4という「余力が求められる」流れの中で、前々から最速の上がり33.8秒を繰り出した点にあります。
- 人気馬の誤算: PCI 50台の「前が止まらない」流れにおいて、自身のPCIを100%発揮するための「位置取り」が甘くなった馬たちが軒並み沈む結果となりました。
③ レース展開:ルメールの「神ポジ」と川田の「沈黙」
展開の鍵を握ったのは、1枠1番を引いたルメール騎手と、大外枠を引いた川田騎手の「判断の差」でした。
序盤:逃げ馬が作った「一本道」
スタート直後、7番人気の⑤ヒズマスターピース(佐々木大輔)が迷わずハナを主張。これに⑯タイムレスキスが並びかけますが、内枠の利を活かした①ドリームコアは、その2頭の直後、**「絶好のインポケット」**に収まります。通過順「2-3」という、東京マイルにおけるヴィクトリーポジションです。
中盤:膠着する隊列
逃げ馬が11.8秒のラップを刻む中、中団では11番人気の②ジッピーチューン(北村友一)が経済コースで脚を溜めます。一方で、1番人気の⑨ギャラボーグ(川田将雅)は、スタートこそ決めたものの、無理にポジションを取りに行かず、後方12番手で「末脚勝負」を選択しました。
直線:絶望の加速ラップ
4コーナーを回り、直線。逃げる⑤ヒズマスターピースが全く衰えない脚取りで加速します。 これを見たルメール騎手は、逃げ馬の外へスムーズに持ち出し、進路を確保。背後から差し馬が来る気配を感じさせる間もなく、ドリームコアが突き抜けました。 後方から⑨ギャラボーグが必死に追い上げますが、前が11.3秒で走っている状況では、差が縮まるはずもありません。位置取りの差が、そのまま「物理的な壁」となって立ちはだかった瞬間でした。
④ レース回顧:個別馬の評価と勝因・敗因
1着:①ドリームコア(2番人気)
勝因:「最内枠×ルメール×瞬発力」の三位一体 まさに完璧な立ち回りでした。前走の新馬戦(上がり34.5秒)で見せたセンスを、今回さらに上のレベルで発揮。全体時計1分32秒6への対応も難なくこなし、パフォーマンスを大幅に上げました。ルメール騎手の「枠を活かす技術」と、馬の「高速ラップへの適性」が噛み合った完勝です。
2着:②ジッピーチューン(11番人気)
勝因:過小評価された「勢い」と内枠の恩恵 前走の未勝利勝ち(0.7秒差圧勝)がフロック視されていましたが、中団のインでロスなく運び、勝ち馬と同じ上がり33.8秒を記録した内容は本物です。有力馬が外を回す中で、1枠を活かした北村友一騎手の好判断も光りました。
3着:⑤ヒズマスターピース(7番人気)
勝因:幻惑のペースメイクと地力の証明 目標にされる苦しい展開ながら、自らラスト11.3秒という厳しいラップを刻み続けて3着死守。これは展開に恵まれたのではなく、この馬自身の「持続的なスピード能力」がG3級であることを証明しています。
9着:⑨ギャラボーグ(1番人気)
敗因:「後ろすぎた」位置取りのミス 阪神JFでの上がり最速(34.3秒)への自信が、今回は裏目に出ました。今回の馬場とラップ(ラスト3F 34.0秒)では、4角12番手からの逆転は数学的に不可能です。川田騎手の消極的な位置取りが最大の敗因であり、能力負けではありません。
16着:⑦フェーダーローター(16番人気)
敗因:オーバーペースへの追従による自滅 逃げ馬をマークする2番手につけましたが、自身にそこまでの持続力がなく、ラスト1ハロンで36.1秒と完全に脚が上がりました。この馬の失速が、いかに逃げ馬のペースが厳しかったかを逆説的に証明しています。
⑤ まとめ:次走注目馬と評価保留馬
今回の結果から、次走に向けて狙うべき馬と、判断を慎重にすべき馬を整理します。
次走注目馬:⑤ヒズマスターピース
今回の3着は価値が高いです。自身の刻んだラップの質を考えると、本番の桜花賞でも「誰も捕まえられない逃げ」を打つ可能性があります。特に少し時計の掛かる馬場になれば、さらに粘りが増すでしょう。
評価保留:⑨ギャラボーグ
1番人気を裏切りましたが、直線での伸び脚そのものは34.2秒と悪くありません。今回は展開と戦略が完全に不一致でした。PCIが40台になるような「タフな消耗戦」や、差しが決まる馬場状態になれば、一変してG1級の力を示すはずです。
血統的考察:東京マイルを勝つ血の傾向
勝ち馬ドリームコアの背景には、東京マイルで不可欠な**「ディープインパクト系の瞬発力」と、持続力を補完する「米国型スピード(Storm Cat等)」、あるいは最近のトレンドである「欧州的なタフな加速力(Kingman等)」**の融合が見て取れます。今回の「11.3 – 11.3」という加速ラップに対応できたのは、この血統的なスピードの持続力があったからこそと言えるでしょう。
【総括】 2026年のクイーンカップは、**「逃げ馬が作ったハイレベルな持続ラップ戦を、ルメール騎手が完璧な立ち回りで制したレース」**でした。 「上がり最速=最強」という固定観念を捨て、「その上がりがどのポジションで繰り出されたか」を重視することの重要性を、改めて教えてくれた一戦でしたね。
今回の分析をぜひ皆さんの次走予想にお役立てください! それでは、また次回の重賞展望でお会いしましょう!


