【2026京都記念回顧】藤岡佑介の「神判断」とスローペースの罠。なぜエリキングは届かなかったのか?

レース回顧

2026年2月15日 京都11R 京都記念 (G2) のレース結果

着順馬番馬名性齢斤量騎手タイム着差通過上り3F人気オッズ馬体重
112ジューンテイク牡557藤岡佑介2:12.72-2-2-233.9615.9504(+4)
26エリキング牡457川田将雅2:12.81/29-9-9-933.111.8516(+8)
34エコロディノス牡456池添謙一2:13.01 1/43-3-3-334.039.0486(+4)
48シェイクユアハート牡657古川吉洋2:13.117-7-7-633.7515.2458(0)
53サフィラ牝555西村淳也2:13.1ハナ5-5-5-533.9727.9480(+10)
610リビアングラス牡657田口貫太2:13.2クビ3-4-4-434.1843.8494(0)
72ヨーホーレイク牡858ハマーハ2:13.33/49-9-9-933.649.7528(+6)
81ヘデントール牡559ルメール2:13.6211-11-11-1133.623.8482(+4)
99ドクタードリトル牡657団野大成2:13.818-7-7-834.411145.8472(-4)
1011マイネルクリソーラ牡757幸英明2:14.335-5-5-635.11082.6472(+4)
117メイショウブレゲ牡757太宰啓介2:14.3クビ12-12-11-1134.412177.8482(+12)
125バビット牡957高杉吏麒2:14.831-1-1-136.0980.1472(+10

京都11R 京都記念 払戻金一覧

券種組番払戻金人気
単勝121,590円6人気
複勝12270円6人気
6110円1人気
4240円3人気
枠連5 – 81,080円5人気
馬連06 – 121,300円5人気
ワイド06 – 12500円5人気
04 – 121,410円16人気
04 – 06390円3人気
馬単12 → 065,080円17人気
3連複04 – 06 – 123,430円12人気
3連単12 → 06 → 0435,780円111人気

【2026年京都記念レース回顧】

2026年2月15日、京都競馬場で行われた伝統の一戦、京都記念(G2)。春のG1戦線を占う重要な一戦は、単なる能力勝負ではなく、騎手の駆け引きとラップタイムが残酷なまでの結末を描き出す、まさに「競馬の深淵」を見せつけられる結果となりました。

結果は6番人気の伏兵ジューンテイクの完勝。一方で、圧倒的支持を集めた1番人気エリキング、2番人気ヘデントールが敗れるという波乱。なぜこの結果になったのか? 膨大なデータとラップ分析から、その真実を徹底的に解き明かしていきます。

① レースラップ解説:先行勢に「極上の休息」を与えた13.2秒の魔力

まず、今回のレースの質を決定づけたラップ構成を詳解します。

【ラップ構成】 12.7 – 11.8 – 13.2 – 12.1 – 12.0 – 12.7 – 11.9 – 11.4 – 11.1 – 11.4 (前半1000m:61.8秒 / 勝ち時計:2:12.7)

このラップには、後方の有力馬を絶望させた「二段階の仕掛け」がありました。

1. 「中弛み」の極致

特筆すべきは3ハロン目の13.2秒というラップです。G2クラスの芝2200m戦としては異例の緩さです。逃げたバビットがこの区間で完全にペースを落としたことにより、先行集団はスタミナを一切消費せずに中盤を通過することができました。1000m通過61.8秒という数字以上に、先行勢は「余力たっぷり」の状態で直線を向いたのです。

2. L2区間の「11.1秒」という壁

後半は残り800mからのロングスパート合戦となりましたが、最も速いラップを刻んだのは直線入り口のL2区間(残り400mから200m)の11.1秒です。 「前半が極端に遅く、後半が極端に速い」という、典型的な**「究極のよーいドン」**。こうなると、物理的に前にいる馬が有利になるのは自明の理でした。

② PCIで読み解く:逃げ・先行馬の「数学的勝利」

次に、ペースチェンジ指数(PCI)の観点からこのレースの「不公平さ」を可視化します。

今回のレースペースをPCIに当てはめると、PCI 60以上(極端な後傾ラップ)に該当します。

  • ジューンテイク(1着): 前半を2番手で楽に追走し、自身のPCIを最大限に高く保ったまま、上がり33.9秒という速い脚を使いました。
  • エリキング(2着): 上がり33.1秒という、メンバー中で次元の違う末脚を繰り出しましたが、**「前の馬が33.9秒で走っているとき、後方から差し切るには32秒台前半が必要」**という、物理的な限界点を超えていました。

PCIが示すのは、今回のエリキングの敗戦は能力負けではなく、**「数学的なポジション取りのミス」**であったということです。

③ レース展開詳解:藤岡佑介騎手が描いた「勝利の方程式」

今回のレースを動かしたのは、勝ったジューンテイクの鞍上、藤岡佑介騎手の冷静な判断でした。

序盤:バビットの逃げと藤岡騎手の選択

ゲートが開くと、バビットが予定通りハナを奪いました。ここで多くの騎手が「外枠だから控えよう」と考える場面で、ジューンテイクの藤岡騎手はあえてポジションを押し上げ、2番手を確保しました。これが今回の最大の勝負手となりました。

中盤:膠着する隊列

バビットが13.2秒までペースを落とした際、後方の人気馬エリキングやヘデントールは「動きたくても動けない」集団の中に閉じ込められました。先行するジューンテイクは、バビットを風除けにしながら、インコースでじっと脚を溜める理想的な展開となります。

直線:早めの抜け出しとセーフティリード

直線、バビットが失速する気配を見せるやいなや、藤岡騎手は早めにジューンテイクを先頭に立たせました。後方からエリキングが猛追してくることを分かっていたからこその「早めのスパート」です。上がり33.9秒という脚を先行ポジションから使われ、後続には絶望的な差が残りました。

④ レース回顧:個別馬の深掘り分析

【1着】ジューンテイク:データと調教が裏付けた完勝

  • 評価: 調教分析で全体1位の**「100点」**評価は伊達ではありませんでした。キズナ産駒の京都コース適性(単勝回収値190)も見事に証明。
  • 勝因: 状態の良さを信じて攻めのポジションを取ったことがすべてです。能力の最大値を展開利でブーストさせた、文句なしの勝利です。

【2着】エリキング:負けて強しのG1級パフォーマンス

  • 評価: 上がり33.1秒は今回の馬場で際立っていました。
  • 敗因: 単勝1.8倍という重圧の中で、川田騎手は「確実な末脚」を選びましたが、スローペースの罠にはまりました。能力は断然であることを再確認させた一戦です。

【3着】エコロディノス:キタサンブラック産駒らしい持続力

  • 評価: 3番手追走から最後まで渋太く粘り込み。
  • 要因: 上位2頭とはキレ味で差がつきましたが、持久力勝負に強い血統背景を活かしました。今後、よりタフな馬場やハイペースになれば逆転の余地があります。

【8着】ヘデントール:データ上の「死角」が露呈

  • 評価: 2番人気を裏切りましたが、ある程度予想できた凡走。
  • 敗因: 事前データで指摘した「半年以上の休み明け(回収値22)」および「ルーラーシップ産駒の京都2200mの不振」がモロに出ました。持久力型のこの馬にとって、今回の「スローの瞬発力勝負」は最も苦手とする舞台でした。

⑤ まとめ:次走注目馬と評価保留馬の仕分け

今回の京都記念を経て、次走狙うべき馬と、判断を保留すべき馬をまとめます。

次走注目馬:エリキング

今回の敗戦で次走は多少人気が落ち着くかもしれませんが、能力は今回のメンバーで間違いなくNo.1。スローペースの後方待機という最悪の展開であそこまで差を詰めた脚は、本番の大阪杯や宝塚記念でこそ真価を発揮するでしょう。

次走注目馬:ジューンテイク

藤岡佑介騎手とのコンビが完全に手の内に入っています。自在性があるため、G1でも立ち回り一つで掲示板、あるいはそれ以上の可能性があります。「調教が良い時のこの馬」は常に買いです。

評価保留:ヘデントール

今回は適性外のレース質。この一戦で能力を見限るのは危険です。次走、距離が伸びる(2400m以上)や、馬場が渋ってスタミナ勝負になる場面があれば、評価を一変させる必要があります。

【総括】 2026年の京都記念は、**「数学的な展開利を味方につけた実力馬」が、「展開に泣いた怪物」**を封じ込めるという、非常に教育的な一戦でした。 次走、エリキングのリベンジなるか、それともジューンテイクがさらに飛躍するか。春のG1戦線がますます楽しみになる、そんな素晴らしいレースでした!

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