【2026共同通信杯レース回顧】33.0秒の「異次元」と番手策の「必然」――展開が暴いた真の実力

レース回顧

共同通信杯(G3) レース結果

着順馬番馬名性齢斤量騎手タイム着差通過上り3F人気オッズ馬体重
15リアライズシリウス牡357津村明秀1:45.52-234.123.7530(0)
27ベレシート牡357北村友一1:45.58-833.046.9482(0)
36ロブチェン牡357松山弘平1:45.5クビ4-433.434.2518(+6)
48ラヴェニュー牡357菅原明良1:45.716-633.412.8496(-4)
54ディバインウインド牡357キング1:45.913-334.158.4480(+8)
61サノノグレーター牡357横山武史1:46.436-634.0610.1468(0)
73ガリレア牡357石橋脩1:46.53/41-135.3896.6448(+10)
82イージーライダー牡357吉村誠之1:46.5ハナ4-434.49138.0468(+4)
99サトノヴァンクル牡357佐々木大1:46.828-834.3738.8474(0)

共同通信杯(G3) 払戻金一覧

券種組番払戻金人気
単勝5370円2
複勝5 / 7 / 6140円 / 190円 / 150円2 / 4 / 3
枠連5-71,290円6
馬連5-71,180円5
ワイド5-7 / 5-6 / 6-7420円 / 280円 / 470円5 / 2 / 7
馬単5→71,930円9
3連複5-6-71,450円5
3連単5→7→66,950円23

【2026年共同通信杯レース回顧】

今年の勝者はリアライズシリウス。津村明秀騎手の冷静沈着なエスコートが光りましたが、一方で2着ベレシートが繰り出した上がり33.0秒という驚愕の数字に、多くのファンが「本当に強いのはどちらか?」と胸を熱くしたはずです。

今回は、TARGETのデータやラップタイム、そしてPCI(ペースチェンジ指数)を駆使して、このレースの正体を徹底的に解剖します!

① レースラップ解説:中弛みが演出した「加速の罠」

まずは、レースの質を決定づけたラップ構成を詳しく見ていきましょう。

【ラップタイム構成】 12.9 – 10.7 – 11.6 – 12.2 – 12.1 – 11.7 – 11.3 – 11.2 – 11.8 (前半1000m:59.5秒 / 勝ち時計:1:45.5)

このラップは、大きく分けて**「3つのフェーズ」**で構成されています。

  1. 激しい入り: 2ハロン目に10.7秒という、1800m戦としては非常に速いラップが入りました。ここで逃げ馬ガリレアが主導権を握るために脚を使ったことが分かります。
  2. 向こう正面の弛み: 4ハロン目から5ハロン目にかけて、12.2 – 12.1と一気にペースが落ち着きました。ここで先行勢は十分な休息を得ることができました。
  3. ロングスパート開始: 残り800m(6ハロン目)から11.7 – 11.3 – 11.2と、ゴールに向けて加速し続ける**「加速ラップ」**となりました。

【ポイント】 中盤で12秒台のラップが2回続いたことにより、レースは完全に「前が止まらない」コンディションへと変貌しました。この弛みが、後方の馬たちにとっては「届かない物理的距離」を生む大きな要因となったのです。

② PCIから見るレースペースの正体

次に、ペース判定の指標である**PCI(ペースチェンジ指数)**を用いて、このレースのペースバランスを検証します。

レースPCI:53.8(後半特化型スローペース)

今回のレースPCIは53.8を記録しました。 PCIが50を超えているということは、前半よりも後半の方が速い**「後傾ラップ」**であったことを示しています。

この「53.8」という数値は、東京1800mで行われる3歳重賞としては典型的な「上がり勝負」の形です。しかし、前半1000mの59.5秒は決して極端なスローではありません。つまり、**「そこそこのペースで走りながら、後半はさらに一段上のギアが求められた」**という、非常にレベルの高い持続力・瞬発力勝負だったと言えます。

③ レース展開:9頭の精鋭による心理戦と位置取りの妙

少頭数で行われた今回のレース。スタートからゴールまで、淀みない展開の中にドラマが詰まっていました。

序盤:ガリレアの逃げと津村騎手の「確信」

ゲートが開くと、3番ガリレアが激しい2ハロン目のラップを刻んでハナを奪いました。これに対して、勝ったリアライズシリウスの津村騎手は、迷わず2番手のポジションを確保。この「逃げ馬を射程圏に入れつつ、後続を封じる」位置取りが、勝利への最短距離となりました。

中盤:膠着した隊列と1番人気の苦悩

中盤、ラップが緩んだところで1番人気のラヴェニューは中団6番手、2着のベレシートは最後方の8番手に位置しました。少頭数ゆえに「いつでも動ける」という心理的な油断、あるいは馬のリズムを重視しすぎたことが、先行勢に「セーフティリード」を与える結果を招きました。

直線:33.0秒 vs 物理的リード

直線に向くと、逃げるガリレアの脚色が鈍ります。その瞬間にリアライズシリウスが早めに先頭へ。 背後からは、大外に持ち出したベレシートが、文字通り**「飛んでくる」**ような末脚を見せます。しかし、中盤で作られた「前が止まらない状況」での数馬身の差は、異次元の末脚をもってしても、アタマ差だけ届きませんでした。

④ レース回顧:個別馬の徹底分析

【1着】リアライズシリウス(津村明秀)

勝因:血統ポテンシャルの開花と戦略勝ち 事前データでは「前走G1組」の回収率が懸念されていましたが、それを種牡馬ポエティックフレアの圧倒的なポテンシャル(勝率50%)が上回りました。津村騎手の「このペースなら2番手で勝てる」という展開眼と、それに応えた馬の機動力が噛み合った完勝です。

【2着】ベレシート(北村友一)

評価:負けて強しの「怪物」候補 今回、最もインパクトを残したのはこの馬です。上がり33.0秒は、同日の他のレースと比較しても突出しています。次点の馬たちが33.4秒であるため、1頭だけ0.4秒も速い脚を使っています。今回は展開不向きに泣きましたが、ペースが流れるG1(皐月賞・ダービー)では、この末脚が最大の武器になることは間違いありません。

【3着】ロブチェン(松山弘平)

評価:データ特注馬の「仕事人」的走り 事前の分析で挙げた「松山騎手×母父Giant’s Causeway」の好走データが見事にハマりました。先行して上がり33.4秒(2位)を使い3着を確保。派手さはありませんが、相手なりに走る安定感は今後の重賞戦線でも「買い」の材料となります。

【4着】ラヴェニュー(菅原明良 / 1番人気)

敗因:積極性の欠如 上がり33.4秒を使いながら、ロブチェンに届かず、ベレシートに差されたという結果が全てです。能力そのものは示しましたが、1番人気としてはもう少し前(ロブチェンの位置)で競馬をする必要がありました。今回は「位置取りの差」に尽きます。

⑤ まとめ:次走注目馬と評価保留馬の選別

今回の共同通信杯を経て、我々が馬券的に注目すべき馬は以下の通りです。

【次走注目:確勝級】ベレシート

スローペースであの位置からアタマ差まで追い込んだ脚力は、今回のメンバーでNo.1です。広いコース、あるいはペースが流れる本番になれば、逆転は容易。皐月賞よりも、直線の長い日本ダービーでの主役候補として、今から名前を刻んでおくべき一頭です。

【次走注目:軸候補】ロブチェン

どんな展開でも自分の脚(上がり33秒台前半)を先行して使える強みは、馬券構成上非常に重宝します。今後も人気が適正に保たれるようなら、複勝圏内の軸として信頼度は抜群です。

【評価保留】サトノヴァンクル(9着)

1. 位置取り(8-8-8)

    ◦ スタートから後方に控え、道中は8番手(後ろから2頭目)を追走しました。

    ◦ 2着に入ったベレシートと同じような位置取りでしたが、勝負所での反応が大きく異なりました。

2. 直線での攻防

    ◦ 1000m通過59.5秒というスローペースからの瞬発力勝負となりましたが、直線で追い上げる脚を使えませんでした。

    ◦ 上がり3F(ラスト600m)のタイムは34.3秒。これはメンバー中、逃げて失速したガリレア(35.3秒)に次いで遅いタイムであり、上位馬(33.0秒~33.4秒)とは1秒近い切れ味の差が出ました。

調教タイム全体1位(W63.2秒)でありながら、実戦では最下位。これは「調教詐欺」ではなく、現状のメンタル面や実戦での脆さを示しています。騎手の回収率データが低かった点も踏まえると、過剰人気になりやすいタイプ。次走も調教時計だけで人気になるようなら、静観するのが賢明でしょう。

【総括】 2026年の共同通信杯は、**「戦略で勝ったリアライズシリウス」「能力で圧倒したベレシート」**という、実に見応えのある構図でした。 この2頭の再戦が、皐月賞、そしてダービーの舞台でどのような結末を迎えるのか。今から楽しみでなりません。

皆さんの次走予想のヒントになれば幸いです!それでは、また次回の解析でお会いしましょう!

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