2026年【フェブラリーS 回顧】ダートマイルを切り裂いた異次元の豪脚!コスタノヴァ戴冠と「前傾ラップの罠」を徹底分析

レース回顧

レース結果

着順馬番馬名性齢斤量騎手タイム着差通過順上り3F人気単勝オッズ馬体重(増減)
112コスタノヴァ牡658ルメール1.35.410-1235.223.4488 (-4)
214ウィルソンテソーロ牡758川田将雅1.35.51/27-735.735.4486 (+2)
39ダブルハートボンド牝556坂井瑠星1.35.61/26-536.013.0476 (+2)
43ブライアンセンス牡658岩田望来1.35.73/410-935.61040.6524 (0)
51オメガギネス牡658岩田康誠1.36.234-436.7828.6498 (-2)
615ペプチドナイル牡858富田暁1.36.2ハナ3-236.91153.6532 (+6)
713ナチュラルライズ牡458横山武史1.36.2クビ13-1335.7721.4506 (+5)
86ラムジェット牡558三浦皇成1.36.31/215-1535.747.8530 (+14)
95シックスペンス牡558戸崎圭太1.36.43/41-137.2617.4514 (+12)
104ペリエール牡658佐々木大1.36.63/47-736.8932.9492 (+8)
1110ロードクロンヌ牡558横山和生1.36.73/42-237.5514.7500 (0)
1211サンライズホークセ758松岡正海1.37.2315-1536.516346.3512 (-6)
138サクラトゥジュールセ958キング1.37.73 1/210-937.61374.1510 (-4)
147ロングランセ858荻野極1.37.8クビ13-1337.415235.1482 (+4)
1516サイモンザナドゥ牡658池添謙一1.37.8ハナ7-937.81266.6470 (-8)
162ハッピーマン牡458高杉吏麒1.39.184-539.51498.1470 (-4)

払戻金

券種組番払戻金人気
単勝12¥3402 ※1
複勝12 / 14 / 9¥130 / ¥160 / ¥130
枠連6-7¥8204
馬連12-14¥8903
ワイド12-14 / 09-12 / 09-14¥360 / ¥290 / ¥3203 / 1 / 2
馬単12-14¥15604
3連複09-12-14¥10801 ※2
3連単12-14-09¥50804 ※2

レース回顧

今年最初のJRAダートG1、フェブラリーステークス。皆様の馬券の調子はいかがでしたでしょうか? 終わってみれば、中団後方でじっと息を潜めていたコスタノヴァが大外から豪快な差し切りを決め、春のダート王の座に就きました。2着には実力馬ウィルソンテソーロ、3着には牝馬のダブルハートボンドが入り、見応えのある激闘となりました。

一方で、レースを引っ張った先行勢は軒並み直線で失速し、馬群に沈むという残酷な結果に。「前に行かなければ勝負にならない」と言われるダート戦において、なぜこれほどまでに差し・追込が決まる展開になったのでしょうか。

今回は、詳細なレースラップ、PCI(ペースチェンジインデックス)、そして各馬の通過順位や上がり3Fのデータを基に、このフェブラリーSで一体何が起きていたのか、そして次走で狙える馬・危険な馬はどれなのかを、5つのポイントに分けて徹底的に深掘り解説していきます!

① 【レースラップ解説】2ハロン目「10.9秒」が引き起こした激流

まずは、レースの骨格となるラップタイムから見ていきましょう。今回のフェブラリーSがどれほど過酷なサバイバル戦だったかは、この数字に全てが表れています。

【フェブラリーS ラップタイム(ダート1600m)】 12.7 – 10.9 – 11.5 – 12.0 – 12.1 – 11.9 – 12.0 – 12.3

スタート直後の1ハロン目こそ12.7秒と標準的でしたが、勝負の明暗を分けたのは直後の**2ハロン目「10.9秒」**です。芝の短距離戦並みの強烈な急加速が起こり、そこから11.5秒、12.0秒と一息もつけないペースでレースは進みました。

その結果、**前半3F(600m)の通過タイムは「35.1秒」**という猛烈な時計を記録。ダートのマイル戦において、このペースで前を追いかけることは、先行馬にとってまさに「死への行軍」を意味します。 対して、後半の上がり3Fは「36.2秒」も掛かっており、前半と後半で1秒以上もタイム差がある、非常にタフな消耗戦であったことが分かります。

② 【ペース分析】PCIが示す「過酷な前傾ラップ」の正体

次に、「PCI(ペースチェンジインデックス)」という指標を用いて、このレースの性質をさらに客観的に分析してみましょう。PCIは前半と後半のペースバランスを示す数値で、50を基準として、それより低ければ「前傾ラップ(ハイペース)」、高ければ「後傾ラップ(スローペース)」であることを示します。

今回のフェブラリーSのレースPCIは**「48.1」**でした。

ダートの重賞クラスとはいえ、PCIが48台前半に突入するということは、**「明確な前傾ラップであり、先行馬の体力を極限まで削るペース」**であったことを証明しています。 通常、ダート戦は砂を被るのを嫌がる馬が多いため、前を主張する馬が有利になる傾向があります。しかし、このPCI 48.1という過酷なペースでは、道中で少しでも力んだり、息を入れるタイミングを失ったりした先行馬は、最後の直線で確実に脚が止まります。 データが示す通り、今回は「道中は無理をせず後方で待機し、直線で確実な末脚を使える馬」に圧倒的なアドバンテージが働くレースとなりました。

③ 【レース展開】先行勢の壊滅と、冷静沈着な後方待機組

この過酷なラップとPCIを踏まえて、道中の位置取りとレース展開を紐解いていきましょう。

【序盤〜道中:先行集団に迫る見えないプレッシャー】 レースを引っ張ったのはシックスペンス(通過順1-1)でした。これに続く形でロードクロンヌ(2-2)、外目からペプチドナイル(3-2)、その後ろにオメガギネス(4-4)、ハッピーマン(4-5)が殺到し、激しい先行集団を形成しました。彼らは、前半35.1秒という激流を自らの脚でモロに受け止めることになります。 一方、中団の6〜7番手付近にはダブルハートボンド(6-5)、ウィルソンテソーロ(7-7)、ペリエール(7-7)らが構え、前衛の激しい争いを冷静に見つめていました。 そして、のちに上位を独占することになるコスタノヴァは10-12番手、ブライアンセンスは10-9番手と、後方でしっかりと脚を溜める隊列となりました。

【勝負どころ〜直線:止まる前衛、襲い掛かる豪脚】 前半の厳しいペースのツケは、最後の直線で残酷なまでに表れました。逃げたシックスペンスや2番手のロードクロンヌ、先行したハッピーマンの脚色が一気に鈍り、馬群に飲み込まれていきます。 代わって台頭してきたのが、中団〜後方待機組です。抜け出しを図るダブルハートボンドやウィルソンテソーロを外からまとめて撫で斬りにしたのが、道中12番手までポジションを下げて脚を温存していたコスタノヴァでした。メンバー最速の上がりを繰り出し、見事に栄冠を掴み取りました。

④ 【レース徹底回顧】展開を味方につけた勝者と、散っていった実力馬たち

ここからは各馬のパフォーマンスを詳細に回顧します。

■ 1着 コスタノヴァ:ルメールの神騎乗と異次元の末脚 道中は「10-12」と、意図的にポジションを下げて折り合いに専念しました。前が激流になっていることを察知し、徹底して脚を溜めたルメール騎手の冷静沈着な手綱さばきが光ります。直線で大外に持ち出すと、全馬の中で抜けた**上がり3F「35.2秒」**の豪脚を爆発させました。データ上「上がり3F 1位馬は勝率33.6%・単回収値395」という強烈な傾向がありますが、まさにその通りの強さを見せつけた見事な戴冠劇でした。

■ 2着 ウィルソンテソーロ:王道を行く安定感 道中は「7-7」と中団の絶好位につけ、上がり35.7秒の安定した末脚で1/2馬身差の2着。勝ち馬にはキレ負けしましたが、どんな展開でも大崩れしないG1馬としての底力を存分に見せつけました。

■ 3着 ダブルハートボンド:最も強い競馬をしたのはこの馬か 個人的に今回最も高く評価したいのがこの馬です。上位陣が軒並み中団〜後方待機組だった中、唯一「6-5」という前目のポジションから競馬をして、上がり36.0秒で粘り切りました。この厳しい前傾ラップを前で受けて馬券圏内に残したポテンシャルは相当なものです。

■ 敗因分析:激流に飲み込まれた先行馬たちシックスペンス(9着) / ロードクロンヌ(11着) 逃げ・番手からレースを進めましたが、前半35.1秒のペースの完全な犠牲者となりました。上がり3Fはそれぞれ37.2秒、37.5秒と失速。今回は展開に泣いただけであり、力負けではありません。 ・ハッピーマン(16着) 4-5番手と強気に前につけましたが、完全に息が入りませんでした。上がり3Fはメンバー中ダントツで遅い39.5秒。この馬にとってはあまりにも過酷なペースでした。 ・ペプチドナイル(6着) / オメガギネス(5着) 先行して潰れる馬が多い中、3〜4番手から進めて掲示板前後に踏みとどまったこの2頭の「地力の高さ」は見逃せません。展開不向きの中でよく粘っています。

⑤ 【まとめ&次走注目馬・評価保留馬】

総括すると、今回のフェブラリーSは**「2ハロン目の10.9秒という急加速が引き起こした超ハイペースにより、先行馬が壊滅。道中で無理をせず後方で待機し、直線で確実な末脚を使えた馬が上位を独占したサバイバル戦」**でした。

最後に、このレース結果を踏まえた次走への評価をまとめます。

【次走注目馬(S評価:どんな条件でも狙える)】

  • ダブルハートボンド (3着) 前傾ラップの激流を前目で受けて粘り込んだ内容は、勝ち馬以上に評価できるかもしれません。次走、牝馬限定戦やペースが落ち着くレースに出走してくれば、頭(1着)で狙いたい存在です。
  • コスタノヴァ (1着) 展開が向いたのは事実ですが、あの位置から上がり35.2秒で差し切る脚力はG1級です。マイル〜1800mの路線で今後も主役を張れるでしょう。

【次走注目馬(A評価:展開次第で巻き返し必至)】

  • ペプチドナイル (6着)
  • オメガギネス (5着) 今回、最も「負けて強し」だったのがこの2頭です。先行馬総崩れの展開の中、前目で踏ん張った地力は本物。次走、ペースが緩む条件や、もう少し前が有利な馬場になれば、あっさりと上位争いに加わってきます。

【評価保留(次走は危険な人気馬になる可能性)】

  • ブライアンセンス (4着) 道中「10-9」から上がり35.6秒(2位タイ)で追い込みましたが、今回は「前が止まる展開」が100%味方した結果の4着です。次走、スローペースの前残り展開になった場合、不発に終わるリスクが高いため、過剰人気するようなら疑ってかかるべきです。

以上、フェブラリーステークスの徹底回顧でした!春のG1シーズンはまだまだ続きます。次回の重賞回顧もお楽しみに!

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