阪神芝1800m

阪神芝1800m解説
コースの特徴
- スタート地点:芝1400m(内回り)と同じ広めのポケットからスタート。
- 長い平坦直線:向正面から3角まで約644m、3~4角まで含めると約1200mの平坦区間。
- 後半の流れ:
- 4角半ば(残り600m)から緩やかな下り坂 → ペースアップが促される。
- ゴール前直線474m:下りが続いた後、最後の200m付近で急坂(約1.8mの勾配)を駆け上がる。
レースの流れと脚質適性
- 平均ペース:マイルのような速めの流れだが、中距離の緩急が控えめに加わる。
- 逃げ・先行馬は不利:
- 2コーナーの長いコースでは、距離が延びるほど逃げ馬の勝率が低下(阪神芝1800は逃げ馬に最も不利なコースの一つ)。
- 3~4角が大きなカーブで減速を強いられ、加速ポイントが早いため、先行馬より差し・追い込み馬が優勢。
- 差し馬が主役:
- 特に**大外枠(6番より外、16頭立てならさらに有利)**が好成績。
- 芝の状態が悪い(重・稍重)ほど、外枠のアドバンテージが大きくなる。
枠順の傾向
- 逃げ馬を狙う場合:
- 内枠or奇数枠で、芝状態が「良」or「稍重」のときに無理のない位置取りを。
- 先行馬を狙う場合:
- 1番枠や大外(8~14番)は避け、内or中枠選択。
- 差し・追い込み馬:
- 外枠(特に大外)が有利。1番人気と下位人気の組み合わせも多い。
コース設定の違い
- Aコース(開催前半):直線幅が狭め(473.6m)。
- Bコース(開催後半):直線幅が広め(476.3m)。
- 曲線部でも幅員が異なり、Bコースの方がやや余裕がある。
結論
「阪神芝1800mは差し・追い込み馬が圧倒的に有利。逃げ・先行馬は勝つには厳しいコース」
芝状態や枠順を加味し、外目からの差し馬を軸に考えるのがセオリー
阪神芝1800mデータ(2019年~2024年)
騎手

騎手考察
【複勝率が高いトップ5】
(複勝率 = 1着・2着・3着に入る確率)
騎手 | 複勝率 | 複勝回収値 | 勝率 | 着度数(1-2-3/出走数) |
---|---|---|---|---|
川田将雅 | 64.8% | 84 | 26.7% | 28-29-11 /105 |
C.ルメール | 57.8% | 89 | 17.8% | 8-10-8 /45 |
北村友一 | 44.8% | 104 | 16.4% | 11-8-11 /67 |
M.デムーロ | 44.0% | 184 | 20.0% | 5-3-3 /25 |
池添謙一 | 39.1% | 86 | 14.5% | 10-12-5 /69 |
【複勝回収率が高いトップ5】
(回収値100円以上を優先してランキング化)
騎手 | 複勝回収値 | 複勝率 | 勝率 | 着度数(1-2-3/出走数) |
---|---|---|---|---|
M.デムーロ | 184 | 44.0% | 20.0% | 5-3-3 /25 |
北村友一 | 104 | 44.8% | 16.4% | 11-8-11 /67 |
C.ルメール | 89 | 57.8% | 17.8% | 8-10-8 /45 |
岩田望来 | 90 | 38.2% | 12.2% | 15-14-18 /123 |
川田将雅 | 84 | 64.8% | 26.7% | 28-29-11 /105 |
結論:おすすめ騎手の傾向
- 「複勝で堅実に勝ちたい」 → 川田将雅・ルメール(複勝率が極めて高い)
- 「回収率を重視して配当を狙う」 → M.デムーロ・北村友一(回収値100超えでコスパ良し)
- 「穴馬で高配当を狙いつつ複勝も安定」 → 岩田望来・池添謙一(中~下位人気で回収率アップ)
※注意点:
- 川田やルメールは人気馬が多いため、単勝より複勝が効率的。
- M.デムーロは出走数が少ないが、回収値が突出して高い(穴馬絡みで高配当の可能性あり)。
人気別

人気別考察
1. 人気順の着順分布と勝率・複勝率
- 1番人気:
- 勝率36.4%、**複勝率69.7%**と圧倒的に安定。
- 単勝回収値76、複勝回収値84と単勝より複勝が効率的。
- 2番人気:
- 勝率18.9%、複勝率56.1%と1番人気に次ぐ安定感。
- 単勝・複勝回収値は70~80円台で、1番人気と同様に複勝がお得。
- 3番人気以下:
- 勝率・複勝率が急激に低下(3番人気:勝率11.4%、複勝率45.6% → 6番人気:勝率5.3%、複勝率20.4%)。
- 4~5番人気は回収値が上昇(単勝81~127円、複勝69~90円)。穴馬狙いの場合は5番人気までが目安。
- 6番人気以下でも回収値が高い傾向にある。
2. 回収値の傾向
- 単勝回収値が100円を超える人気層:
- 5番人気(127円)・7番人気(121円)・11番人気(151円)・12番人気(332円)。
- 12番人気の単勝回収値332円は突出しているが、勝率1.8%と極めて低い。
- 複勝回収値が100円を超える人気層:
- 11番人気(109円)・15番人気(109円)。
- 14番人気(97円)も高めだが、複勝率3.8%と低い。
3. 大穴(10番人気以降)の特徴
- 10~12番人気:
- 複勝率4~7%と低いが、11番人気は複勝回収値109円とコスパ良し。
- 12番人気は単勝回収値332円と魅力的だが、勝率1.8%でリスク大。
- 13番人気以降:
- 勝率0%、複勝率1~4.5%とほぼ期待できない。
- 15番人気の複勝回収値109円は例外だが、複勝率4.5%と低い。
まとめ
- 1番人気でも3割は負けるため、単勝より複勝が無難。
- 5番人気までが穴馬の現実的なライン(6番以降は複勝率20%未満)。
- 全体的に穴馬が来るコース。中番人気から高番人気の回収率が高い為、広めの選択が必要。
クラス別

クラス別考察
まとめ
- 2勝クラスは単勝で大穴が出やすく、狙い目。
- G2は単勝回収が高く、人気馬が敗れやすい可能性。
- 未勝利・新馬・G3は複勝回収が高く、堅実な戦略が有効。
- OPEN非Lは単勝・複勝ともに回収率が低い。
- 全体的にかたよりがみられない為、クラス問わず同じような結果になるコース。
脚質×上がり3F

脚質×上がり3F考察
1. 脚質別の傾向
- 逃げ:勝率17.5%と最も高く、連対率(1着・2着)も32.5%でトップ。単勝回収値285と高い回収率を示しており、逃げ馬は勝ちやすい傾向。ただし、複勝率(1-3着)41.2%は先行より低く、逃げ切れない場合に失速しやすい可能性。
- 先行:勝率12.3%で逃げに次ぐ2位。複勝率33.8%と安定性があり、単勝回収値100でほぼ中立。逃げ馬ほどではないが、先行策は依然として有効。
- 中団・後方:勝率・複勝率が低く(中団6.3%、後方3.5%)、単勝回収値も35-69と低い。後方からの追い込みは勝ちにくい戦略。ただし、中団の複勝回収値65は後方(54)よりややマシ。
- マクリ:サンプル数少ないが、勝率21.4%と逃げ以上に高い。
2. 3F位置別の傾向
- 3F 1位:圧倒的強さ。勝率43.1%、複勝率79.8%で単勝回収値367。最終直線で先頭ならほぼ決まる。
- 3F 2位:勝率20.2%で1位の半分以下。複勝回収値192と高回収率。
- 3F 3位以下:勝率・複勝率が急落。特に「6位~」は勝率1.1%で単勝回収値25と馬券に絡みずらい。
まとめ
全体的に最高方からでも最後の直線で末足良ければ届くコースになる。瞬発力の高い馬を狙うのがベスト。
馬番

馬番考察
(1)勝率が高い馬番トップ3
- 4番(勝率13.2%)
- 単勝回収値79と安定しており、複勝率33.8%も高い。最も勝ちやすい馬番。
- 2番(勝率11.5%)
- 単勝回収値93で、複勝率31.9%。4番に次ぐ好成績。
- 9番(勝率10.5%)
- 勝率は高いが、複勝率18.8%と低く、勝つか負けるかの二極化が強い。
(2)勝率が低い馬番ワースト3
- 17番(勝率0%)
- サンプル少ないが、全敗。複勝率20.6%とわずかに可能性はあるが単勝は避けるべき。
- 15番(勝率1.5%)
- 勝率・連対率ともに極端に低い。複勝回収値61と微妙。
- 10番(勝率4.4%)
- 外枠(10番以降)では最も成績が悪く、単勝・複勝ともに回収率低い。
(3)回収率が高い注目馬番
- 5番(単勝回収値222)
- 勝率9.6%だが、高配当が出やすい傾向。穴馬として狙い目か。
- 11番(複勝回収値105)
- 複勝戦略で利益が出る可能性あり。
- 18番(勝率11.5%、単勝回収値92)
- サンプル少ないが、外枠ながら好成績。
2. 偶数の馬番 vs. 奇数の馬番
- 偶数馬番(2,4,6,…)
- 勝率9.1%で奇数(7.7%)よりやや高い。
- ただし、回収値は単勝84 vs 88、複勝69 vs 75と奇数が僅かに上回る。
- **「偶数は安定、奇数は配当が大きい」**傾向。
3. 大外発走
- 勝率9.7%で平均よりやや高く、単勝回収値110と高配当が出やすい。
- ただし複勝回収値65と低いため、単勝狙いが向く。
4. 全体的な傾向
- 4番・2番が最も勝率が高く安定しており、単勝・複勝どちらにも向く。
- 5番・18番・大外は高配当が出やすいため、穴馬として狙う価値あり。
- 10番以降の外枠は全体的に勝率が低いが、11番・18番など一部例外あり。
- 17番・15番は極端に勝率が低く、単勝は避けた方が無難。
- 偶数の馬番は勝率が高いが、奇数の馬番は回収率で拮抗。
5. まとめ
全体的に内枠有利なコースだが、大外枠でも好走がみられる為、脚質によっての使い分けが重要になる。
種牡馬

種牡馬考察
【複勝率(1-3着入着率)TOP5】
- ディープインパクト(41.9%)
- モーリス(36.8%)
- ドゥラメンテ(35.9%)
- エピファネイア(32.5%)
- リオンディーズ(32.6%)
【複勝回収値TOP5】
- ジャスタウェイ(117)
- デクラレーションオブウォー(117)
- キズナ(105)
- モーリス(105)
- ヴィクトワールピサ(134)
1. 安定性が高い種牡馬
- ディープインパクト
- 複勝率41.9%で断トツ。単勝回収値99と堅実で、人気馬でも十分回収可能。
- モーリス・ドゥラメンテ
- 複勝率35%超えで、中~人気馬の複勝が狙い目。特にモーリスは複勝回収値105と高い。
- エピファネイア
- 複勝率32.5%で、単勝回収値116と穴馬としても有望。
2. 高配当が期待できる種牡馬(回収値重視)
- ジャスタウェイ(複勝回収値117)
- 複勝率26.8%と平均的だが、複勝でしっかり回収できる稀有な種牡馬。
- デクラレーションオブウォー(複勝回収値117)
- 勝率25%・複勝率41.7%と優秀だが、サンプル少なめ。超大穴(単勝回収値322)も期待。
- キズナ(複勝回収値105)
- 勝率11.6%と高く、単勝回収値220も魅力。穴馬複勝戦略に最適。
3. 要注意な種牡馬
- ハービンジャー
- 複勝率14.2%・回収値30と著しく低い。ほぼ論外。
- オルフェーヴル
- 複勝率20.6%・回収値34と振るわず、単勝も厳しい。
- ダイワメジャー
- 複勝率20.7%・回収値49と低調。
4. 穴馬として狙える隠れ玉
- ヴィクトワールピサ
- 複勝回収値134と全種牡馬中最高値。低人気馬の複勝で利益が出やすい。
まとめ
- 堅実な複勝狙い
- ディープインパクト・モーリス・ドゥラメンテ。
- 高回収を狙う複勝
- ジャスタウェイ・キズナ・ヴィクトワールピサなど、回収値100超えの馬を選択。
- 単勝穴馬
- **デクラレーションオブウォー(回収値322)・キズナ(回収値220)**など、高配当を狙う。
- 避けるべき種牡馬
- ハービンジャー・オルフェーヴルは成績が悪く、回収率も低い。
- スタミナ血統よりも、瞬発力のある血統が活躍している。
前走距離

前走距離考察
1. 距離変化の影響
- 同距離(距離変化なし)が最も成績が良く、勝率10.2%・複勝率27.9%で回収率も107(単勝)と最も高い。安定した結果が出やすい。
- ±200m以内の小幅な距離変化でも、同距離に近い成績(勝率9.1%)を維持。
- 距離変化が大きくなるほど成績低下:±400mで勝率8.6%、±600mで8.4%と徐々に減少。
2. 延長 vs 短縮
- **短縮(65勝)**は延長(41勝)より勝率が高く(9.1% vs 5.7%)、馬の適性に与える影響が小さい可能性。
- 500m以上の大幅な距離変化では、特に延長で勝率0%と極端に低く、短縮でも8.3%と低い。大幅な距離変更は予想を難しくさせる。
3. 回収率の観点
- 単勝回収値は同距離107が最高で、距離変化とともに低下(±600mで88、延長で67)。
- 複勝回収値は同距離85が最高だが、500m以上延長では76と意外に高く、大穴になる可能性を示唆。
4. 着別度数
- 同距離や小幅な距離変化では3着内に入る確率(複勝率)が25%以上と比較的高いが、延長では20.3%に低下。
結論
同距離または±200m以内の小幅な距離変化のレースが最も予測しやすく、馬の実力が反映されやすい傾向。一方、500m以上の大幅な距離変更(特に延長)は不確定要素が大きく、勝率・回収率ともに低いため注意が必要です。短縮は延長よりややマシですが、大幅な変更は全体的にリスクが高いと言えます。
前走コース

前走コース考察
- 前走最終直線の短いコース(小倉、札幌)だと軽視されがちなため、回収率が上がる傾向にある。
- 前走直線の長いコース(東京、新潟、中京、京都外)だと過剰人気しやすく、回収率が下がる傾向にある。
- 距離延長になると、不利になる。
- 回収率でみると前走京都からの出走は回収率が悪いのがわかる。
- 同じ前走新潟でも距離延長と距離短縮で回収率に大きな差がある。
- 前走同競馬場、同コースからの出走が一番安定している。